「不安な時の対処は？」 パラリンピック銀メダリスト上原大祐くんからの手紙

毎日一つや二つ、「不安」な気持ちになる事があります。

その不安に飲み込まれそうになることもある。



不安は、恐れとは違って、「まだ起きていない事の否定的想像」から生まれます。


想像力豊かってことでもあるんだけど、その豊かな力を否定的なイマジネーションに使ってしまう事は何とかしたい。


10月31日に、バンクーバーパラリンピックの銀メダリスト、上原大祐氏に講演をして頂いた事はブログにも書きました。



その講演会の最後の質疑応答の時に、ある参加者からこんな質問がありました。



「何かをする時に不安がある（特に私はそうなんですが）と思いますが、そんな時にはどうしたらいいのでしょうか」


大祐くんは、その時に「うーん、ボクはあまり不安は感じないので・・・・」と言いながらも彼なりに、彼自身が感じている不安への対処をキチンと回答してくれていました。



ひと月たって、大祐くんのメールが届きました。



なんと、あの時の「不安」に改めて回答したいという内容です。



ボクは、この事にいたく感激しました。




彼自身の中で、十分な対応ができていなかったと感じていたのかもしれません。

もちろん会場にいたボクたちは、誰一人として、そんなことは感じていなかったんですが。



上原大祐という男の、生きざまを強く感じられます。



ボクは、目の前の現実が忙しくて、通り過ぎた時間を「取り戻せないもの」として扱い、前に進むことばかりを考えていました。



自分の中で終わらせていない事を、そのまま時間の川に放り込んで、大切な何かを見失なっているのかもしれない。



自分を生きること、そのことの自分へ責任・・・上原大祐と言う男から学ぶことが、本当にたくさんあります。


そして、ボクの不安を、その不安そのものをどんなふうに受け止めればいいのかを、見事に転換してくれる回答でした。



彼の許可をもらいましたので、そのメールの全文をここに紹介します。






Ｕ．Ｓ様


こんにちは。

先日は講演会にお越しいただき誠にありがとうございます。



講演会の際にご質問があったことについて、

当日はしっかりとお答え出来なかったのでお答えさせて頂きたいと思います。



「何かをする時に不安があると思いますがどうしたらいいか」というような

内容のご質問だったかと思います。

色々と考えましたが私は以下の答えが出ました。



Ａ：何かをする時に誰でも不安はあると思います。私の場合は不安よりワクワクのが大きいですけど。

　　「何かをしたい！」と思う時に行動を起こした人がいるからこそ、今のすべてがあると思います。



　　例えば飛行機にせよ、ライト兄弟は命がけの挑戦だったと思います。

　　でも！それでも挑戦したことによって今の飛行機があり、私がこうして海外と交流できるようになったのです。

　　「何かをしたい！」と思った人はそれはその人のやりたい事でもあり、「使命」でもあるように感じます。

　　

　　私がこうして子供達の事をやっていなければ、今後日本に子供達が楽しめる環境が出来ない可能性があります。

　　私の「やりたい！」はきっと「使命」です。



　「使命」と言うと重く感じてしまうかもしれませんが、自分に与えられた「使命」って素敵じゃないですか。

　　求められてるんですよ！世の中に！

　　これだから生きている意味があるんですよ！

　　私はそう思います。



　　だから不安であろうとそれをやる事によって子供達や多くの人の笑顔が作られるのです。

　　Ｕ．Ｓ様のやりたい事、それはきっと未来へ繋がる素敵な架け橋です。虹色の。

　　是非！チャレンジしてみて下さい。その先にきっとＵ.Ａ様の自信と充実感、

　　そして沢山の人達の笑顔が待ってます！！