誰でもいらだちを感じることはありますね。
腹が立つ、腹に据えかねる、はらわたが煮えくりかえる、ムカつく、頭に来る・・・
なんとなく、全部同じような気もしますが、日本の言葉はよく出来たもんで、それぞれに意味が違いそうです。
「腹が立つ」のは、丹田(へそした)あたりの生命エネルギーゾーンが荒れてくるのでしょう。怒りの対象もはっきりしていて、だからと言って、瞬間的ではなくてじわじわと…
「ムカつく」はどうでしょうか?自分ではあまり使いませんが、この言葉は若年層に多いような気もします。なんだか「胸が悪く」なっているのでしょうか。「気分ワリィ!」という状態の延長線上にあるような気がします。
「頭にくる」は、直接的で、瞬間的で、勢いがありますね。
いずれにしろ、この「怒り」の仲間たちは、上手に昇華できないと怒りの感情から「憎しみ」や「恨み」に変化してしまいます。
このねじれてしまったエネルギーは、破壊的で、恐ろしい闇を浮き彫りにしていきます。
ゲド戦記『闇との戦い』で繰り広げられた、ゲドとライバルであるヒスイとの関係がまさにそれです。
『かかし』という、この怒りが作り出す世界にハラハラしてしまう児童文学に巡り合いました。
先日紹介した『機関銃要塞の少年達」の作者ロバート・ウェストールの作品です。
『かかし』
寄宿舎で暮らしているサイモンが主人公。
空軍パイロットだった父親は幼いころに亡くなり、家には、ママと妹ジェーンがいます。
ある日、寄宿舎にママがやってきます。
ママは、売れっ子画家のジョー・モートンと再婚することを告げに来ました。
サイモンはママがジョーを選んだことに、腹が立って仕方がありません。
パパのことが大好きだったサイモンにとって、それは「裏切り」そのものなのです。
夏休みに、サイモンはジョーの住む新しい家で過ごすはめになります。
その家で過ごす間、ママとジョーにことごとく当たり散らし、何から何までサイモンは気に入りません。
ジョーに甘える妹のジェーンに対しても、ひどい言葉を投げかけます。
ジョーの家の目の前には広大なカブ畑が広がっています。
その向こうには、誰も使っていない水車小屋が、ぽつんと建っています。
怒りとさみしさを紛らすために、サイモンは水車小屋に行きます。
そこは何年もの間、放置され、誰かが突然いなくなったかのように、いろいろなものがその時のまま置かれています。
テーブルに置いてある1943年の新聞。
使いかけのパイプ。
ハッと人影を感じて振り向くと、そこには壁に掛けてある3着のコート。
声をあげてしまうほどに恐怖を感じたサイモンは、そんな自分を笑います。
大柄な男もの、女もの、そして少し小柄な男もの。
「人間がいるはずがない」と・・・。
こんな面白いところを「あいつらは知らない、ざまを見ろ」と、怒りの種を探しては一人悪態をつき続けるのです。
どういうわけか、その日を境に、ジョー、ママ、ジェーンの3人との関係はますます悪化してしまいます。
何度も、和解のチャンスがあったにもかかわらず、きっかけがつかめないままどんどん泥沼に入って行ってしまうのです。
そういうことって、結構ありますよね。
そしてある日、ついに「あれ」が姿を現してしまうのです。
ぼろぼろのコートを着た、「3体のかかし」。
かつて忌まわしく、おぞましい事件があった水車小屋に巣くっていた「邪悪なもの」をサイモンの孤独と怒りが目覚めさせてしまったのです。
日ごとに、かかしたちはサイモンの住む家に近づいてきます。
一体は間違いなく、サイモンを指差しているように見えるのです。
パパに、「恐怖から逃げるな、向かっていくんだ」と、常々言われていたサイモンは、決死の覚悟で、かかしにタックルをします。
やっつけたと思っても、倒れたかかしは、いつの間にか立ち上がり、さらに近づいて来るのです。
遺品のピストルで打ち抜いて、穴だらけにしてぼろぼろにしても、翌朝起きてみると、カブ畑の半分まで近づいています。
この緊迫したかかしの到来と、家族に対するサイモンのどうしようもない怒りが、共時(シンクロ)していることなど、サイモンは気付くこともできません。
結末は…これから読む人のためにも、内緒にしておきましょう。
怒りはすべてを破壊します。
怒りは、ネガティブな妄想を作り上げていきます。
そしてその妄想がさらに怒りに火をつけます。
怒りの対象に、悪態をつけば付くほど、その対象は巨大になっていきます。
怒りを鎮めることなどできなくなってしまうほどに。
誰にでも経験があるかもしれませんね。
しかし同時にそれは、生きるエネルギーでもあるのです。
ダライ・ラマは「怒りを感じた時、それはあなたが忍耐を学ぶ大きなチャンスが訪れたということなのです」と、いっていました。
そうはいってもねぇ…。
かなり面白い作品でした。
腹が立つ、腹に据えかねる、はらわたが煮えくりかえる、ムカつく、頭に来る・・・
なんとなく、全部同じような気もしますが、日本の言葉はよく出来たもんで、それぞれに意味が違いそうです。
「腹が立つ」のは、丹田(へそした)あたりの生命エネルギーゾーンが荒れてくるのでしょう。怒りの対象もはっきりしていて、だからと言って、瞬間的ではなくてじわじわと…
「ムカつく」はどうでしょうか?自分ではあまり使いませんが、この言葉は若年層に多いような気もします。なんだか「胸が悪く」なっているのでしょうか。「気分ワリィ!」という状態の延長線上にあるような気がします。
「頭にくる」は、直接的で、瞬間的で、勢いがありますね。
いずれにしろ、この「怒り」の仲間たちは、上手に昇華できないと怒りの感情から「憎しみ」や「恨み」に変化してしまいます。
このねじれてしまったエネルギーは、破壊的で、恐ろしい闇を浮き彫りにしていきます。
ゲド戦記『闇との戦い』で繰り広げられた、ゲドとライバルであるヒスイとの関係がまさにそれです。
『かかし』という、この怒りが作り出す世界にハラハラしてしまう児童文学に巡り合いました。
先日紹介した『機関銃要塞の少年達」の作者ロバート・ウェストールの作品です。
『かかし』
寄宿舎で暮らしているサイモンが主人公。
空軍パイロットだった父親は幼いころに亡くなり、家には、ママと妹ジェーンがいます。
ある日、寄宿舎にママがやってきます。
ママは、売れっ子画家のジョー・モートンと再婚することを告げに来ました。
サイモンはママがジョーを選んだことに、腹が立って仕方がありません。
パパのことが大好きだったサイモンにとって、それは「裏切り」そのものなのです。
夏休みに、サイモンはジョーの住む新しい家で過ごすはめになります。
その家で過ごす間、ママとジョーにことごとく当たり散らし、何から何までサイモンは気に入りません。
ジョーに甘える妹のジェーンに対しても、ひどい言葉を投げかけます。
ジョーの家の目の前には広大なカブ畑が広がっています。
その向こうには、誰も使っていない水車小屋が、ぽつんと建っています。
怒りとさみしさを紛らすために、サイモンは水車小屋に行きます。
そこは何年もの間、放置され、誰かが突然いなくなったかのように、いろいろなものがその時のまま置かれています。
テーブルに置いてある1943年の新聞。
使いかけのパイプ。
ハッと人影を感じて振り向くと、そこには壁に掛けてある3着のコート。
声をあげてしまうほどに恐怖を感じたサイモンは、そんな自分を笑います。
大柄な男もの、女もの、そして少し小柄な男もの。
「人間がいるはずがない」と・・・。
こんな面白いところを「あいつらは知らない、ざまを見ろ」と、怒りの種を探しては一人悪態をつき続けるのです。
どういうわけか、その日を境に、ジョー、ママ、ジェーンの3人との関係はますます悪化してしまいます。
何度も、和解のチャンスがあったにもかかわらず、きっかけがつかめないままどんどん泥沼に入って行ってしまうのです。
そういうことって、結構ありますよね。
そしてある日、ついに「あれ」が姿を現してしまうのです。
ぼろぼろのコートを着た、「3体のかかし」。
かつて忌まわしく、おぞましい事件があった水車小屋に巣くっていた「邪悪なもの」をサイモンの孤独と怒りが目覚めさせてしまったのです。
日ごとに、かかしたちはサイモンの住む家に近づいてきます。
一体は間違いなく、サイモンを指差しているように見えるのです。
パパに、「恐怖から逃げるな、向かっていくんだ」と、常々言われていたサイモンは、決死の覚悟で、かかしにタックルをします。
やっつけたと思っても、倒れたかかしは、いつの間にか立ち上がり、さらに近づいて来るのです。
遺品のピストルで打ち抜いて、穴だらけにしてぼろぼろにしても、翌朝起きてみると、カブ畑の半分まで近づいています。
この緊迫したかかしの到来と、家族に対するサイモンのどうしようもない怒りが、共時(シンクロ)していることなど、サイモンは気付くこともできません。
結末は…これから読む人のためにも、内緒にしておきましょう。
怒りはすべてを破壊します。
怒りは、ネガティブな妄想を作り上げていきます。
そしてその妄想がさらに怒りに火をつけます。
怒りの対象に、悪態をつけば付くほど、その対象は巨大になっていきます。
怒りを鎮めることなどできなくなってしまうほどに。
誰にでも経験があるかもしれませんね。
しかし同時にそれは、生きるエネルギーでもあるのです。
ダライ・ラマは「怒りを感じた時、それはあなたが忍耐を学ぶ大きなチャンスが訪れたということなのです」と、いっていました。
そうはいってもねぇ…。
かなり面白い作品でした。
まだ小学生なのに(^^)
月曜日にスタートです。
セットアップセミナーで会えるのを楽しみにしていますよ!
いろいろなドラマがあるんでしょうね。現地近くの帯広は暑くなったり涼しくなったり気温差がはげしいようですが・・・。
グロースブログも楽しみにしてまーす。
19年目です。
若かった初期とは違い、体の無理が利かなくなっていますが、思い切りやってきます。
21日がセットアップです。
行ってまいります。