「バッジを落とした」
この広い航空公園の中で走り回っているうちに、バッジを落としてしまったKIロ。
このバッジは、初日に頑張ったチームに一人ずつ手渡す缶バッジ。
他の子どもたちは全員バスに乗り込んでいる。
イントラのまりえ、ちな、そしてめっちゃんが、KIロと話している。
遠くで見ている限り、KIロは困った様子。
しばらくしてから、
「どうしたんだぁ?」とボク。
「KIロがバッジを落としたらしくて・・・・」
「そうか、で、どうするんだ?」
「みんなを待たしていて悪いから・・・・」
「それでいいいんだな?わかった。よしバスに乗ろう!」
KIロがバスに乗り込んだ後に、イントラたちに事情を聴くと、
「バッジを落として、探していたけど見つからず、みんなに探してほしいといったけど、声が小さかったので、みんなは行ってしまった。それで、失くしたまま、バスに乗ろうとしたので・・・」と言うことらしい。
バスに乗り込んだボクは、KIロの隣に座る。
少し、緊張した面持ちのKIロ。
ボクはまず、事情を聴いた。
「待たしていて悪いからって、言ってたけど、どういうこと?」
「・・・・・・・・・」
「あの缶バッジはな、KIロ。このグロースセミナーに来る前に、イントラとかサポーターたちがオフィスに集まって、一個一個手作りしてるんだよ。お前たちの手に渡る缶バッジを、みんな時間を取って作ってくれたんだ。」
「落としちゃったけど、バスでみんなを待たしちゃ悪いからって探さずに乗ろうとしたらしいけど、そういうボランティアには申し訳ないって思わないのか?」
「みんなで探して欲しくて言ったんだけど、聞こえなかったらしくて・・・・」
「そうか、それで、もういいって、思っちゃったのか。
あのなKIロ。なんか落としちゃったり失くしたりすることは、誰にだってあることなんだよ。でもさ、そんときに一番困ってんのは落とした本人だろ?
おまえ、あの缶バッジいらねぇのか?」
強く首を横に振るKIロ。
「だったら、みんなに迷惑かけるから、もう探さないっていうのはちょっとおかしいんじゃないか?」
困った様子のKIロはうつむいたまま。
「お前がだれかに探して欲しいって言われたら、どうすんだ?」
「・・・探してあげたい」
「そうか、だったらおんなじだよ。みんなもちゃんとそれを聞いていれば、探してくれたはずだ。そう思わないか?」
うなづくKIロ。
「してもらうのは、申し訳ないけど、してあげるのはいいってことだな?」
「うん」
「そうなんだよなぁ、みんな人には迷惑かけたくないって思うんだよな。
でもさ、それじゃ、自分がかわいそうじゃん。
じゃあさ、KIロ。提案があるんだけどさ。
どんな小っちゃいことでもいいから、このグロースの間に誰かに何かをしてあげるっていうのをチャレンジしてみようか。
お前はサブリーダーだし、お前より年下はたくさんいるし、リーダーを助けることもできる。
立派なことじゃなくていいから、周りに何かをしてあげる。
そして、それを俺に教えてくれ。どうだ?」
「・・・・・・わかった、やってみる。」
こんな調子で、ヌプカへ。
人と一緒に生きていくってことは、それだけで「メイワク」をかけることなんかいくらだってある。
でも、そうやって自分のことを後回しにしたり、あきらめたりすることで、自分にもメイワクかけてることに気づかない。
いや、気づいていても、自分のことだから、とあきらめてしまう。
そんな繰り返しで、大切な自分を、心の奥底に置き去りにしてしまうことがある。
せめてこのグロースで、自分を一番に大切にする体験をしてほしい。
グロースはそんな場所であっていい、と、ボクはいつも思っている。
したいことをする。
グロースの中でいろんな遊びが発明された。
みんなしたいことをしながら生まれた遊び。
だから、グロースは「生き物」だって思う。
そんな生き物の中に飛び込んで、自分をいっぱい表現できる。
あー、自分が子どものころにグロースがあったらよかったなぁ。
今日も快晴だった。
二日目がおわって、あしたはマウンテンバイク。
まさか、あんなことが起きるなんて、誰も想像しなかった・・・・。
この広い航空公園の中で走り回っているうちに、バッジを落としてしまったKIロ。
このバッジは、初日に頑張ったチームに一人ずつ手渡す缶バッジ。
他の子どもたちは全員バスに乗り込んでいる。
イントラのまりえ、ちな、そしてめっちゃんが、KIロと話している。
遠くで見ている限り、KIロは困った様子。
しばらくしてから、
「どうしたんだぁ?」とボク。
「KIロがバッジを落としたらしくて・・・・」
「そうか、で、どうするんだ?」
「みんなを待たしていて悪いから・・・・」
「それでいいいんだな?わかった。よしバスに乗ろう!」
KIロがバスに乗り込んだ後に、イントラたちに事情を聴くと、
「バッジを落として、探していたけど見つからず、みんなに探してほしいといったけど、声が小さかったので、みんなは行ってしまった。それで、失くしたまま、バスに乗ろうとしたので・・・」と言うことらしい。
バスに乗り込んだボクは、KIロの隣に座る。
少し、緊張した面持ちのKIロ。
ボクはまず、事情を聴いた。
「待たしていて悪いからって、言ってたけど、どういうこと?」
「・・・・・・・・・」
「あの缶バッジはな、KIロ。このグロースセミナーに来る前に、イントラとかサポーターたちがオフィスに集まって、一個一個手作りしてるんだよ。お前たちの手に渡る缶バッジを、みんな時間を取って作ってくれたんだ。」
「落としちゃったけど、バスでみんなを待たしちゃ悪いからって探さずに乗ろうとしたらしいけど、そういうボランティアには申し訳ないって思わないのか?」
「みんなで探して欲しくて言ったんだけど、聞こえなかったらしくて・・・・」
「そうか、それで、もういいって、思っちゃったのか。
あのなKIロ。なんか落としちゃったり失くしたりすることは、誰にだってあることなんだよ。でもさ、そんときに一番困ってんのは落とした本人だろ?
おまえ、あの缶バッジいらねぇのか?」
強く首を横に振るKIロ。
「だったら、みんなに迷惑かけるから、もう探さないっていうのはちょっとおかしいんじゃないか?」
困った様子のKIロはうつむいたまま。
「お前がだれかに探して欲しいって言われたら、どうすんだ?」
「・・・探してあげたい」
「そうか、だったらおんなじだよ。みんなもちゃんとそれを聞いていれば、探してくれたはずだ。そう思わないか?」
うなづくKIロ。
「してもらうのは、申し訳ないけど、してあげるのはいいってことだな?」
「うん」
「そうなんだよなぁ、みんな人には迷惑かけたくないって思うんだよな。
でもさ、それじゃ、自分がかわいそうじゃん。
じゃあさ、KIロ。提案があるんだけどさ。
どんな小っちゃいことでもいいから、このグロースの間に誰かに何かをしてあげるっていうのをチャレンジしてみようか。
お前はサブリーダーだし、お前より年下はたくさんいるし、リーダーを助けることもできる。
立派なことじゃなくていいから、周りに何かをしてあげる。
そして、それを俺に教えてくれ。どうだ?」
「・・・・・・わかった、やってみる。」
こんな調子で、ヌプカへ。
人と一緒に生きていくってことは、それだけで「メイワク」をかけることなんかいくらだってある。
でも、そうやって自分のことを後回しにしたり、あきらめたりすることで、自分にもメイワクかけてることに気づかない。
いや、気づいていても、自分のことだから、とあきらめてしまう。
そんな繰り返しで、大切な自分を、心の奥底に置き去りにしてしまうことがある。
せめてこのグロースで、自分を一番に大切にする体験をしてほしい。
グロースはそんな場所であっていい、と、ボクはいつも思っている。
したいことをする。
グロースの中でいろんな遊びが発明された。
みんなしたいことをしながら生まれた遊び。
だから、グロースは「生き物」だって思う。
そんな生き物の中に飛び込んで、自分をいっぱい表現できる。
あー、自分が子どものころにグロースがあったらよかったなぁ。
今日も快晴だった。
二日目がおわって、あしたはマウンテンバイク。
まさか、あんなことが起きるなんて、誰も想像しなかった・・・・。
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