日経新聞によれば、「農林水産省が8月7日、昨年度の食料自給率は、カロリーベースで前年度と同じ38%だった」と報道していました。日本で食べられているもののうち、38%が国内で生産されたもので、残りの62%は海外からの輸入に頼っているということです。
ところが、カロリーベースで計算するからで、この数字でいえば「卵」は約10%ということです。しかし、どこのスーパーでも外国産の「卵」など見たことがありません。
卵を産む鶏のエサを外国から輸入しているからで、使用する石油燃料なども計算すればそうなる数字で、私たちの口に入る農産物すべての約7割は国内で生産され、賄われていることを忘れてはなりません。
食料を生み出す農地は、それを耕す農民のものだと決めつけて来た戦後の左翼運動があり、あふれる光と清らかな水、美しい緑がさわやかな空気を生み出す自然環境は、国民のものだという事を忘れてしまったのです。
日本の豊かな自然と農地は、国民すべての共有財産です。そんな農地が数多く耕作しないで放置され、荒れ果てているのは心が痛みます。多額の助成金を支払って維持してきた産業も、農業の担い手が高齢者という、風前のともしびという産業に、政府はやっと目を向け始めました。
2015年頃から朝日放送テレビで“ポツンと一軒家”なる番組も始まり、高い視聴率でスタートしたようですが、多くの若者は農業や林業に対する価値観が違って、視聴率の低下で苦戦しているようです。
政府は、農地以外も含め、基本的な土地政策全体の見直しが必要ではないでしょうか。