イギリスの哲学者・政治学者トマス・ホッブズの説は「人は本来、自己中心 的な 極悪な生き物であり、放置しておくと自分の欲望のままに利益を求め、人と人との間で争いを始めてしまう」したがって、戦争をなくすのに必要なのは、国家権力をも上回る圧倒的な力を持った支配者の存在が必要だというのです。
第二次世界大戦のような悲劇をなくすために「国連」ができました。ところが国連で法的拘束力のある条約や議定書が作られることはありますが、国際政治には「内政不干渉の原則」という考え方があり、基本的には各国が参考にするべきガイドラインに過ぎず、強制力がなく特に罰則がないというのが国連です。
第二次世界大戦が終わった後も朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争、そして現在でもウクライナへロシアが侵攻するなど、国と国による戦争は何度も生じ、冷戦終結後は国家間での武力衝突の数は減ったものの、内戦の数は増加傾向にあります。
ホッブズの説で「人々が功利的に利害を追求するとき,いかにして社会秩序を保つか」という,「社会契約論」は理想ですが、守らないから秩序問題 つまり内戦や国家間の争いとなり、現実的にその様な組織を作ろうとしても、大国が賛同するとは思えないのです。
戦争に理屈も正義もなく、アメリカやロシア、中国などの大国自らが、欲望のまま利益を得ようとするからで、ルールを定めても守ろうとしません。世界連邦警察機構と強力な制約(経済制裁のルール)ができれば別ですが・・・・。