寒い冬はフグがもっともおいしい時期で、ちり鍋にするのが定番です。フグ(河豚)は白身魚で、淡泊ながらも上品で奥深い味わいが魅力、ほかにフグの刺身や唐揚げなどがポピュラーな食べ方があります。
フグといえば、世界の大半の国が食べない毒魚を、私たち日本人は好んで食べます。和食では代表的な料理ですが、外国人からすれば疑問に思われることでしょう。全種類のフグに共通して言えるのが、”フグの肝は猛毒”ですが、肝を除いて食べてみれば美味しいことが分かると思います。
1月から2月にかけて香りの強い蝋梅(ろうばい)が黄色い花を付けて、花びらが”ろう細工”のようで、透き通り一段と輝きを増します。この花の種には毒を含みますが、花やつぼみから抽出した”ろう梅油”は漢方薬として売られています。
また、この時期に咲くスイセンも毒成分リコリンとシュウ酸カルシウムの毒性分を含み、ニラなどと間違えて食べれば食中毒を起こします。
毒といえば、春から夏にかけて実を付ける梅も、未成熟な実を食べると、腹の中で分解されて青酸を生じ中毒を起こします。梅は天日で干して「梅干し」にする、あるいはアルコールなどに漬ければ酵素が働き、健康を保つための整腸作用や、駆虫、止血、強心作用があります。
毒物が生体へ影響を与えるのは、毒の種類と程度によって決まるようです。また、影響を与える毒に対して、別の物質を与えて解毒させ、医薬品として用いる場合もあります。
美しい花やおいしい食べ物にも毒があったりします。何とか解毒の方法はないものかと・・・・。食べてしまうと、「気の毒」だけでは済まされません。