最近では、三谷幸喜なんかもよくあて書きしてますよね。昔から俳優の個性を最大限に引き出すのに、役を当てるというのがあります。もしくは、作家がどうしてもこの役はこの俳優だと思ったときもそうですね。その方が作品が生き生きとして面白くなるようです。
前回、「AX」を読んでますと書きましたが、読み進んでいくうちに、自然と一人の俳優が頭に浮かんできました。それは、個人的にはあまり好きではないのですが、最近めきめき売れている「大泉 洋」です。彼のキャラクターしか浮かんでこないので困っています。まさかあて書きでもありますまいに。でもキャスティングとしては悪くないと思います。皆さん、どうです?他に候補があれば教えてください。興味ありますねぇ(個人的にですが)。
うちの劇団の作品もあて書きが多い方だと思います。うち(浮狼舎、神原組、すかんぽ長屋)は作家(兼 演出)が稽古の進行を見守りながら、さらにインスピレーションを得て続きを書くといったかたちで進むことが多いです。ですから、場合によっては再演ができないことも往々にしてあります。生な劇作といえば聞こえは良いのですが、俳優にとっては大変です。役作りなんて悠長なことは言っておれません。反射神経が必要になってきます。演劇的反射神経です(大衆演劇に比べれば大したことないですが)。ただ、ここであて書きが生きてくるのです。役と俳優が結びつき易くイメージが比較的明確な点が良いところです。
しかし、2月4日の慰問公演の「お染めかぜ、久松るす」も、3月10・11日の座・九条での「優呼~やさしき呼び声~」もあて書きではありません。「優呼」などは役柄との格闘が予想されます。何にしても、他人(ひと)の人生を生きるのですから、楽なわけはありませんよね。