私、少し遅めの夏休みを取りまして、長野県上田市の無言館に行って参りました。
正しくは、「戦没画学生慰霊美術館 無言館」です。文字通り、戦時中、志半ばで命を落とした画学生たちの絵画を展示している美術館です。
22日の朝、新幹線の始発に初めて乗り、北(東?)を目指しました。2~3日の旅程でしたが、有意義な休暇でした(帰りは夜行バス)。
本当は3月の公演(「狼は小鳥の夢を見る」)前に行くべきだったのでしょうけど…。知ったのがその後だったので、この夏となりました。
展示されている描き手の多くの方々が終戦間際(1945年)に亡くなっておられました。どの描き手も、先を案じて、振り絞るように描いておいでのように見受けられました。見るにしたがい、悲しみはもちろん、悔しい気持ちがこみ上げてきました。座長神原が、亡くなられた同業者に思いを馳せ、よく「悔しいなぁ」と呟いていた気持ちがわかったような気がします。
もっと描きたかった、という思いが絵から伝わってきました。すべての絵が誰かの遺作であり、親族にとっての遺品なのです。
館内は撮影禁止なので、館外正面だけ撮りました。第二館もあり、傷ついたスケッチのドームとして、ドーム型の天井に彼らのスケッチが貼られてあり、壁面には第一館と同じく絵画が展示されていました(彫塑作品もありました)。さらに図書スペースもあり、自由に書籍が読めるようになっていました。最後の部屋には、絵画の修復作業場があり、今も当時の絵画の修復をされています。
「戦没画学生慰霊美術館 無言館」です。どうぞ機会があればお立ち寄りください。入館料は出口で払うようになっています。入り口は、まるで何処かの館に迷い込んだかのような感覚に陥ります。とても静かで凄まじい場所でした。