『花鳥風月』雑記

素朴に質素に優しくいきたいね

椿

2009年03月19日 | 

つばき(3/19.皇居東御苑)

一昨日頃から東京も暖かい春陽気で今週末には桜の開花宣言がある
かも知れないと聞き、九段から皇居辺りをぶらついてみたが開花は来週
になるのではないだろうか?

皇居東御苑は外国の来園者が特に多い、これから桜・つつじ・菖蒲・・と
手入れの行き届いた御苑に外国の人たちも日本庭園の美しさを改めて認識
される事だろう。

今は、つばき・こぶし・沈丁花・あせび・・・などが咲いていた
椿の花には数百の種類があるらしい、花の色は然ることながら花の形や
花弁の開き具合・雄しべ雌しべの形や葉の違いにもあるとか?

小生は山茶花と椿の違いは落ちた姿を見なければ分からなかったが今回、
山茶花は椿に比べ雄しべは纏まっていないし花弁は平たく開くと知った。

椿は花びらが個々に散るのではなく萼の部分が纏まって落ちる事から
首が落ちる様子を連想して昔、武士はこの花を嫌ったと聞いていたが
それは明治以降の流言で、江戸時代には権力者の庇護を受けて品種改良
も盛んで武士・町人に愛された花であたっとか。知らなかった。

この椿、環境にも公害にも強いので全国で見られるかと思っていたが
北海道では育たないらしい、それ本当ですか


落椿(3/19.皇居東御苑)

どんな花も咲き誇っている時は盛り絶頂で美しいが、散る行く花にも
哀愁こもった風情がまた捨て難い 

上の写真は縮小のためノイズがひどく醜い映像ですが実景や元写真の
『落椿』の情緒は何とも言えない“侘び寂び”を感じましたです。

椿の実からは「椿油」も摂れるし、お相撲さんの髷を結う「鬢付け油」も
椿油ですよね。

椿の木から作った「木炭」も貴重で江戸時代は殿様の手焙り用だったとか。

  今生の 姿くずさず 落椿     佐藤信子

  椿落ちて 昨日の雨を こぼしけり   蕪村

  
   落椿-2(3/19.皇居東御苑)