中国では紀元前の昔、皇帝や貴族が歿すると調度品や家畜、生身の従者たちが
一緒に殉葬されていたが始皇帝頃から、それに代わり俑(模型)を作り副葬品と
して埋葬するようになったらしい。
この時代の死生観では死後も生前と同じ暮らしを送ると考えられていたんですね。
権力者は生前から名工達に、あの世へ一緒に行く俑を作らせていたのでしょう。
「灰陶加彩騎馬人物」は前漢時代(紀元前100年頃)の物で素焼きの物に色を塗り
つけた俑らしいです、触ると壊れそうに見えました。
「加彩楽人」後漢時代(西暦200年頃)ドレスに髪型、きれいでしたでしょう。
帝王様、お抱えの美人音曲団でしょうか?(現代でもそんなショウグンサマが何処かの国に)
唐の時代素焼きの焼き物に鉛や銅を使って白・緑・褐色の色をつける釉を使った
三彩技法が発展して美術品ごとくの俑ができたそうです。
「三彩騎駝人物」(唐時代)はラクダに乗った異民族の商人でしょうか?
シルクロードで東西の交易も盛んだったのでしょうね。
「三彩女子」(唐時代)当時の美人とは“ふくよか”な女性だったらしいです。
主君に仕えていた女性でしょうが身分は高い人のようです、特に腰掛て膝を組んで
いる女性は高位なお方でしょうね。
俑は模型なので調度品も実際に使用できる物ではないが焼き物としても当時の技術
の高さや文化の状態を堪能できました。
今回の出光美術館には紀元前の前漢時代から7世紀唐時代への俑の表情や調度品の
造形美の変遷が123点、テーマと時代別に展示されており、分かりやすかった。
2000年の悠久の時を経た俑や調度品が語りかける生気に満ちた当時に思いを馳せる
のも楽しいものででした。
《投稿写真は出光美術館HPからと購入絵ハガキから転写致しました》
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