忘己利他

書道をやっています。大切な仲間に恵まれ、ふれあい、共に楽しむために・・・

特別展 書聖 王羲之

2013-01-25 00:07:38 | 書展
上野の東京国立博物館にて、1月22日~3月3日 月曜は休館(2月11日は開館、2月12日は休館) 
特別展 書聖 王羲之展が開催されている。



書道をやっている方ならば、誰でも知っている王羲之
王羲之の「羲」という文字は「義」ではありません。
知っていましたか?

「書聖」というのは、書道の歴史上、最も優れた書道家であることからです。
王羲之は西暦303~361年の生存と言われていますが、その後唐の時代から現代に至るまで、
書を学ぶ者 皆が彼の書を手本としてきました。
改めてそれを考えてみると、凄いことだと思います。

最近、摸本「大報帖」というのが発見され、書道史上画期的な出来事です。


(毎日新聞 特集記事より写し)

王羲之の肉筆(真蹟)は、一つも残されていません。
この「大報帖」の他に、多数の作品が、双鉤テン墨(そうこうてんぼく)という、
文字の輪郭を敷き写し、輪郭の中に墨を塗り複製する方法により、
後世に伝えられています。

王羲之展は、「大報帖」の他に
「喪乱帖」「孔侍中帖」など展示されますが、
掛け替えがあるため「喪乱帖」は会期の前半2月11日まで
「孔侍中帖」は、後半2月19日からの展示だそうです。

私の師は、「目習い」の重要性を私たちに説かれます。
良い文字を書くために、「良い書」を見なければと。
重たい腰を「ヨイショ」ともち上げて、上野へ行ってこよう。

大切な人々

2013-01-24 01:21:17 | 日記
まだ外は雨のようですが、朝 目覚めたら雪が降っているでしょうか?

子供の頃は、雪が降ると、その珍しさにワクワクしたのですが、
今は、歩きにくかったり、交通機関に影響がでたり、
雪かきをしなければならなかったり、迷惑なものになってしまいました。

さすがに雪合戦をやろうとか、雪だるまを作ろうという童心に戻れません。

このところ、もう何年も会っていない大学時代の友人達から、
都美術館の書展を見てくださったとメールをいただきました。
本当に有難うございます

元気で頑張っていますと知らせたくて、年賀状に書展の案内を載せたら、
忙しいのに来てくださって、本当に感謝です

大学で同じサークルに所属し、合宿などで同じ釜の飯を食べた仲間です。
同期生それぞれに働き盛りで、活躍されていて…

皆さん忙しくされているので、私のことなぞ、忘れておられるだろうと思っていたのですが、
覚えていてくださって、有難うございます。



私も大切な人々と過ごした、青春時代の思い出をいつまでも大切にしています。


母の悲しみ

2013-01-22 02:51:02 | 日記
今日は、母を病院に連れていき 定期的な診察を受けてきました。

私の母は、パーキンソン病を患っています。
もう発病して、4年ぐらい経ちます。

当初は、歩行器につかまりながらも歩いていたのですが、
最近は、立つこともできなくなりました。

思うように身体が動きません。

薬の影響で、血圧が下がりすぎてしまって、
午前中は朦朧としています。

介護する周りの人間は、大変な思いをしていますが、
身体が動かなくて、一番悲しい思いをしているのは、
本人です。

最近は、言葉を発することも少なくなりました。
悲しみをじっと堪えている母に
私はできるだけ笑顔で接することを
心がけています。

どんな形でも、母親には元気でいてもらいたいと願っています。



妻として母として あなたの一生が私達のためにあったこと 感謝しています





書を楽しむ麗川会

2013-01-20 19:40:33 | 教室
今日は私の書道教室の紹介をさせていただきます。

「書を楽しむ麗川会」を発足して、30年余り。

現在は、まもなく90歳になられる方から高校生まで、
老若男女、会員数35名ほどです。
横浜の上大岡・阪東橋・新杉田の3箇所でお稽古をしています。

いづれの教室も10名ほどで和気あいあい。

私は、会員の皆さんの力によって、
書道を続けさせていただいていると感じています。
皆さんとても素敵な方ばかりで、
私には母親代わりや兄姉代わり、
可愛い娘がたくさんいてくれて幸せです。

ご高齢の会員さんは、皆さんの手本になってくださり、
若い人たちは先輩を見習って、
全員が声を掛け合い、励まし合って進んでいます。

「書を楽しむ」というのは、
おしゃべりや、リクレーションをする…
ということではなく、
書の勉強は苦しいけれども、
その苦しみを乗り越えたところに「楽しみ」が生まれると。

そんなことを話ながら、ご指導させてもらっていますが、
教室では、おしゃべりに花が咲いています。
会員相互のコミュニケーションはバッチリです。

お稽古場に来るたびに、家で書いたものをどっさりと持ってこられたり、
教室で黙々と書いている方もいらっしゃいます。
その情熱は凄いものです。

何を勉強するかは自由。
初心者は競書雑誌のお手本や、
仮名の基本練習。
初心者を卒業すると、
それぞれ臨書課題を決めて、1年~2年かけて取り組みます。
半紙練習から始まって、
半切・全紙に書いたり、原寸臨書に挑戦。
現日書展などの書道展にも出品している方も多いです。

教える側も、いろいろな物に対応できるように
勉強しなければならない訳で…
一緒に勉強させていただいています

また、3ヶ月に1度ぐらい、全員で作品作りをする
課題を設けています。
決して競争ではなく、お互いの作品を比べて
今後の作品制作に役立てる目的です。
第1回の課題は「いろはうた」でした。
昨年会員全員で書いたのですが、
最も熱心に取り組まれた I さんの作品を紹介します。



「文字の大小・太細・方向性・潤渇の変化が工夫されています。
まじめで几帳面な方ですが、ご努力により柔軟さを備えてこられました。」
と、作品紹介に批評を加えました



次回のお稽古は、

上大岡教室と杉田教室は、1/26(土)
阪東橋教室は、1/31(木)  です






修羅のなみだ

2013-01-19 23:37:39 | 書展
本日は、午前中、上大岡の教室でお稽古。
午後は空いていたので、筆を持たなければと思いつつ
ちょっと横になったら、お昼寝をしてしまって

このところの寝不足解消にはなったのですが、
スケジュールが予定通りこなせないと、
自己嫌悪

一日が「あっ」と言う間に終わってしまう。
もたもたしていると、
すぐに人生終わってしまうような、
焦りを感じます
年のせいでしょうか・・・

今日は、「TOKYO 書 2013 公募団体の今」の作品紹介の最終回
新潟木原光威氏の「修羅のなみだ」です。
同じ題材で2点の作品を出品されています。

以前ご紹介した1点目は、軸装作品でしたが、2点目は全紙2枚継ぎ4曲の大作です。
今日は両方を見比べていただきたいと思います。

1点目


2点目


1点目は、一昨年の3.11の直後に書かれて、被災者の方に寄り添う思いで書かれたようです。
そして、2点目は今回の書展のために書かれたとのこと。

ご本人は、3.11の当時に書いたものは、思いが強くあったので、1点目のほうが気に入っている。
2点目は「ダメですね」とおっしゃっていましたが、皆様はどのように感じられるでしょうか?

この題材は、宮沢賢治の「春と修羅」という詩から取られた言葉です。

「まことのことばはここになく
修羅のなみだはつちにふる」

宮澤賢治は、私たちが暮らしている世界・銀河・宇宙といった
雄大な規模で人間を捉えているところから、

2点目は、壮大な宇宙・銀河の景色が見えるように私は感じました。

1点目は、醜悪で邪な本性をもつ人間が、この地球を傷つけ、悶え苦しんでいる様子が見えます。

どちらも勝手な感想です。

作品を製作する際は、まず「言葉選び」が大切。
「何を書くか」を決めるまでに、かなりの時間を要し、
実際書くのは、さほど時間はかからない、とのことです。

私は、両方ともに時間がかかるのに…
だから、お昼寝などして、のほほんとしていては、
ダメですね