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東北の麺文化

2010-05-27 | 青森
所用で東京へ行ってきたのですが、新幹線はやての車内誌「トランヴェール」の5月号は、東北の麺を特集していました。
「稲作に不向きな土地に花開いた食文化・・」
そんな書き出しの文章を読みながら、少し違うことを考えていました。

食文化は家庭の味や地域の味として長く残ります。
「お袋の味」ともいわれるように、生まれたときから食べてきた味は好みとして定着しますし、地域で調達できる食材を使っているために今のような流通手段のなかった時代には変化が少ないと考えられます。
南部地方で食べられている甘い赤飯が山梨県の南部氏を起源とするものなら、食の伝統は室町時代から続いていることになります。
蝦夷の国であった東北の人が何を食べていたのかは、遺跡の発掘からも類推できますし、ライター斎藤博之の仕事で書かれているように、現在も僅かに残る焼畑農業がその痕跡かもしれません。

学術的には疑問符のつく「縄文クッキー」ですが、木の実や雑穀を挽いて食べることが縄文時代から続いているとすれば、コナモン食は東北地方の伝統です。
稲が育たないから仕方なく、というよりも遠い昔から食べていた料理をずっと食べ続けてきた。
はっと、ひっつみ、かっけ等、多様な粉食を現在も好んで食べているのは、遺伝子に刷り込まれていると言っていい程の東北人の嗜好でしょう。