老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

岸田首相の「聞く力」とは?

2022年12月19日 19時46分32秒 | 政治・経済・環境・核兵器など

(余り書きたくはないですが、又もや政治問題です)

 今朝の毎日新聞によると、防衛費財源問題が大きく影響しているのか、同紙の世論調査結果として岸田内閣の支持率が遂に25%まで下落(不支持率は69%)したそうです。当然でしょう!

 この防衛費問題や、複数の大臣更迭問題ではっきりしたのは、首相の政治理念と指導力のなさです。

 最大派閥に属していないためか、政権維持のためには他の派閥の声を取り入れざるを得ず、その政策は八方美人的というか、一貫性のない総花的なものになり、基本的な理念など何にも感じられないのです。

 派閥力学の上に成り立つ以上は当然と言えば当然かも知れませんが、首相就任前後の言動との乖離が酷すぎることです。

 確か、「私には聞く力がある」とか言って、さも国民の意見を吸い上げるような姿勢を示され、最大派閥に属さないだけに新鮮な政策が出てくるかと少しは期待した国民も多かったと思います。

 所がです。この「聞く力」とは国民の声ではなく自民党の各派閥の声だったこと明らかになり、各派の意見を調整して足して2で割るような、旧態依然とした方法しか見えてきません。

 もう、この首相に期待するものはなく、政権の限界が見えたように感じるのは、私だけでしょうか・・・(まさ)


改めて問われる安倍元首相の国葬儀 

2022年09月21日 19時34分41秒 | 政治・経済・環境・核兵器など

 この件については9月27日決行との政府方針は変わらないようで、公表予算16.6億円も掛けて、国内外からの参加者6,000人(内、海外からは700人程度と予想されている)で準備を進めているようです。

◆この国葬儀を巡っては、国会にも諮らずに内閣が独自で決定した経緯や、安倍氏の業績評価に関する反対の意見が多かったのですが、その後安倍氏や自民党と旧統一教会とのズブズブの関係が次々に明るみになると共にその比率が増え、最近では6割にも達し、これと共に内閣支持率も3割を切るという世論調査も出ているようです。

 理由をつけて開催中止をしたいのが政府の本音かもしれませんが、海外にも案内状を出した手前、政府としても今更中止とは言いにくいのでしょう・・・


◆皮肉なことに、政府がこの国葬を決めた後にイギリスのエリザベス女王が急逝され、その国葬の様子が実況されていました。

 何処の国にでも国葬に反対する勢力はある程度はいるのでしょうが、少なくともこの英国の国葬は、国民の大多数や関係諸国からも慕われた国家元首の葬儀である国葬というものの、実態を明らかにしてくれました。

 この英国の参列者が心から悼む様子が感じ取れる荘厳な国葬を見た後では、安倍元首相の国葬儀なるものの茶番劇は一層浮き彫りになってしまうでしょう。


◆となれば、気の毒なのはこの国葬儀とやらに参列する人々でしょう。

 招待なのか、案内状に基づく自主参加なのかは判りませんが、日本国民の6割以上もの人が反意を示している国葬儀に出て、心から悼むことなどしないでしょう。

 そこにあるのは、単なる付き合い儀式、強いて言えば損得勘定が働いた参列という構図はより明白になるだけです。
忙しい中を貴重な時間を割いて来られる海外からの参列予定者には、誠に気の毒で仕方ありません。

◆我が国の法律では、建前としては首相が国家元首なのですが、国際慣例上は元首ではないというおかしな形になっています。

 従って、英国の国葬には参列された天皇陛下の参列もなく、休日にもならず、国民も喪に服さない儀式となり、「国葬」とは言い切れずに「国葬儀」という曖昧な呼び方で、あたかも「国葬」のごとく装って国が費用を負担することにしたのでしょう。

 その結果、各国からの参列者を見ても、元首は参加しないという「国葬」とは名ばかりの摩訶不思議な行事になってしまったのではないでしょうか。(まさ)





腹の立つことばかり!(続々)

2022年08月30日 19時31分27秒 | 政治・経済・環境・核兵器など

 先日<腹の立つことばかり!(続)>の一つとして、安倍元首相の国葬に関する疑義を書き込みましたが、この問題は日ごとに大きな問題になっているようで、反対が50%以上という結果が出ている世論調査が結構多いようです。

 しかし、政府はこの件は既に決定事項で各国からも参列予定ということを理由に、強行されることは間違いなさそうです。

 最近(というよりは、ズーッという感じですが・・・)、このように民意というか国民のある程度の反対意見があっても政府はこれを全く考慮しようとしないことが多く、果たしてこの国の政府はどこを向いているのか、民主主義をどのように考えているのかなどという政治の基本的なことを見直さざるを得ないことが多いです。

 素人だと言われれば間違いなくその通りですが、その素人という国民が選挙権を持っているのに、この政府の在り方はおかしいのでは?と思っておられる人が多いのが事実でしょう。


◆安倍/菅政権にうんざりしていて、岸田政権は少しはマシかと淡い期待を持った人も多かったようですが、その原因は岸田首相が『聞く力』なるものを主張したからでしょう。

 何処に行ってしまったのか『聞く力』は?
そもそもそんなものは、選挙のためのキャッチフレーズでしかなく、選挙が終われば霧消するというのが政治屋の常なのでしょう!!


この前の内閣改造は何だったの?

 安倍派を取り込んで内閣を強化したつもりが、安倍派の議員があそこ迄旧統一教会に汚染されていることが明るみに出て、砂上の楼閣を築いただけだったということでも人気が落ちています。

 イヤそうじゃない、「<人事の岸田>と言われるしたたかな政治家だよ! 岸田氏は全てを知っていたので、この件を明るみにして安倍派を一掃できる基盤を作ってから、もう一度内閣や党人事を刷新して自分が真の実力者としての力をつけるだろう!」という風呂場談議が本当なら、もう少し支持率は上がるかもしれませんね・・・


核拡散防止条約(NPT)再検討会議で何をしたの?

 核拡散防止条約(NPT)再検討会議は表面的にはロシアの反対という形で再び、合意なきままに流れてしまいました。

 常に「唯一の被爆国」をうたい文句にしている日本は、広島出身の岸田首相が出席し演説をしたというのに、その存在感は殆どなかったですね。

 理由は簡単、世界の各国が今までの経過から、“日本は、アメリカの核の傘の中にいるアメリカのポチ。本気で核廃絶など考えていない”ということを見透かされているからでしょう。

 何のために「広島出身」を飾り文句にしたのでしょうかねぇ。
このままでは「広島」「長崎」を前面に出しての反核運動は存在価値が薄れるのではと心配です。(まさ)




終戦日前後のこと ~反戦と良心的兵役拒否者~

2022年08月18日 19時29分55秒 | 政治・経済・環境・核兵器など

 8月は、広島/長崎への原爆投下や、各地の大規模空襲を悼む日が続き、15日はこの国が自国民の甚大なる被害だけでなく、アジアや太平洋地区の多くの国に迷惑をかけた太平洋戦争が終息した大きな記念日です。

 今年は予想もしなかったロシアによるウクライナ侵攻という事態もあり、国際的にも例年以上に「反戦」が重みを増す年となりました。

 しかし、日本の状況はどうかと言えば、全く真逆と言っても差し支えないような状態だと思います。

◆期待もしていませんでしたが、広島・長崎での平和式典における首相の言葉は、例によって核兵器廃絶のリーダーシップを取る意思も感じられず、かつまた高齢化した原爆被災者の救済拡大にも触れない、おざなりなものでした。
これでは、国際平和に関しての日本の存在価値など誰も見向きもしなくなるでしょう。

◆また、終戦記念日に当たっては、統一教会などの右翼的勢力の政府与党に対する影響力拡大の実態が明らかにされつつあるにもかかわらず、これらの排除に向けての意思表示もないだけでなく、改造された内閣や与党関係者の中には、これらの勢力との関係が指摘される議員などを多数組み込んでいます。

 軍備拡大や国家権力の強化を目指す右翼勢力と手を切れない、或いはこれらの勢力のお陰で成り立っている政府に、平和と民主主義を守ることなど期待する方がいけないのでしょう・・・

 

 また、例年この時期には反戦的な映画やドラマがTVでも数多く放映されるので、つまらない政治の動きより余程興味があり、録画して見ています。

 まず、あまり期待はしていなかったのに圧倒された映画がありました。『ハクソー・リッジ』(Hacksaw Ridgeです。

 監督が「マッドマックス」などでお馴染みのメル・ギブソンということで録画しておいた2016年のアメリカの伝記映画でした。

 題名の『ハクソー・リッジ』は、沖縄戦において、日本と連合国両軍の激戦地となった沖縄・浦添の「前田高地」と呼ばれた日本軍陣地のことで、北側が急峻な崖地となっていることからアメリカ軍がこの崖につけた呼称(Hacksaw=弓鋸、Ridge=頂上部)に由来するようです。
(但し、この映画の撮影地は沖縄ではなくて、オーストラリアということです)

 大まかな筋書きは、教会の敬虔な信徒で聖書の「汝、殺すことなかれ」を信条とするデズモンド・T・ドスが、銃を手にすることを断固として拒絶することで、周囲から孤立しながらも、衛生兵として従軍し活躍するのですが、これは実話に基づくもので、彼は「良心的兵役拒否者 (Conscientious objector)」として初めて名誉勲章が与えられた人物のようです。

 前半は甘いラブストーリーも織り交ぜながらの軍法会議などの比較的穏やかな場面なのですが、後半の戦闘場面になると一転して迫力あるというか残酷な場面も多くて目をそむけることもありましたが、それほど戦争の第一線は残忍で恐ろしいものだということを実感できます。

 また、この映画の主題は、良心的兵役拒否者を貫くものの、何とか従軍して他の隊員と共に国に貢献したいというデズモンド・T・ドスの意志の強さですが、その中でも特に印象に残っているのは
◆ライフルの訓練が始まったとき、デズモンドは断固として銃に触れることを拒絶するが、その理由を聞かれて「軍服や軍務には何の問題もなく『人を殺せないだけです』」と明言する。
◆軍法会議で、色々と悩みながらも<信念を曲げたら生きていけない>と再確認して、「皆は殺すが、僕は助けたい」堂々と宣言する。
◆戦場で退避した防空壕の中で、負傷した日本人にも手当をしてやる。
場面です。

「良心的兵役拒否者」という言葉はちょいちょい聞くことがありますが、いざ実行するとなると本当に孤独手、辛くて苦しいものなのだということが改めて感じられました。


 また、今年はWOWOWで『戦争と人間』(監督:山本薩夫、3部作で延べ約9時間)が放映されていてこれも録画していますので、近々見る予定にしています。

 この映画は、『人間の條件』と同じく五味川純平の同名大河小説で、1970年(昭和45年)から1973年(昭和48年)にかけて公開された日活映画です。

 

 現在の日本政府に対する期待は殆どなく、逆に右翼化に舵を切りつつあることに危惧するばかりですが、良心的兵役拒否の制度が根付いていない日本では、自分なりの「反戦」の気持ちを整理・継続していくことが大事なことだと思っています。

(まさ)





偶には「あっぱれ!」もあるが・・・

2022年08月08日 19時10分55秒 | 政治・経済・環境・核兵器など

(昨日が立秋だったようなので今日は暦の上ではもう秋です。そんな実感は全くなく、やはり地球温暖化が進んでいると思わざるを得ませんね。)

 先日来書き込んでいるように、本当に腹の立つことが多い政治の世界ですが、最近思わず「あっぱれ!」と叫びたいことが2件もありましたが、いずれも原発に絡むものでした。

◆東京電力福島第一原発事故を巡り、旧経営陣4人に13兆円の賠償を命じた7月13日の東京地裁判決

 原発で事故が起きれば甚大な被害を及ぼすことを踏まえ、原子力事業を担う企業の取締役の責任を重く見た極めて市民感覚に近い判決だと思います。


◆関西電力元役員らによる金品受領問題に関する、大阪第2検察審査会の8月1日の「起訴相当」と議決。

 原発推進を目論み福井県高浜町の元助役(故人)を巻き込んだ一連の金品受領事件や、この事件に拠り返上したはずの給料カット分を別途補填していた事実などに関して、特別背任や収賄などの容疑で告発されていた関電の旧経営者9名に対して、大阪地検特捜部が不起訴とした事件に対しては市民団体などから不起訴に対する審査を申し立てていましたが、この度この内の3名に対しては「起訴相当」とされたものです。

 これも市民感覚からすれば当然のことでしょう。


 しかし、素直に喜べないのは、これらの判決や議決の多くは、何れ上級審では見直されるのではとの冷めた不安があるからでしょう。

 上級審というか、時の権力に近づくにつれ、市民感情からかけ離れたところにある「政治判断」という名の圧力がまかり通るのが、今までの経験で予測されるからでしょう。(まさ)