老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

税収減少を前提とした財政健全化を!

2016年12月05日 20時00分14秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
 数日前の新聞で、16年度の税収は予算の57.6兆円どころか、昨年度実績の56.3兆円をも下回り、55兆円後半台に落ち込む予想との報道がありました。

◆この結果として、今年度での赤字国債の追加発行が検討されているようですが、支出の削減を検討するという声は全く聞こえてきません。
我々国民は、収入が減ればそれに合わせて支出の削減を図るのが常識ですが、この国の為政者にはそのようなバランス感覚は全くないようです。

◆この為政者の感覚を現わすものとしては、下記の点も上げられると思います。
・昨年度において、幸いにも税収が当初見通しを上回った時に、その分を財政健全化に回すのではなく、「アベノミクスの果実」という傲慢な表現で、積極的なバラマキ予算に使用した。
・検討中の来年度の予算においては、税収の落ち込みを見越して支出を抑制して新規国債の発行を減らすのがまともな考え方なのでしょうが、支出減少を伴うような予算編成なんか考えている人はいないでしょう。
・この挙句、“2020年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する”という約束は、簡単に反故にされるのでしょう。

◆もういい加減に、経済成長を前提とした政策を止めませんか。
「経済成長なくして財政再建なし」という言葉は、確かに前向きで心地良く響き、選挙の集票には効果があるのでしょうが、この考え方自体がおかしいのではないでしょうか。
11月21日付のブログでも触れましたが、日本の人口減少が現実となり、またいわゆる後進国の工業発展が避けらない事実だとすれば、地球規模の資源分配見直しが余儀なくされることを避けられない現実として受け止め、例えマイナスの方向であろうともより堅実な財政立て直しを図ることが今の日本の為政者に求められることでしょう。それこそが「国家100年の計」と言えるのではないでしょうか。

◆国家予算の配分だけでなく、オリンピックなどの公共事業や、色々な議員さんのお手盛り予算といい、これらの根本にあるのは税金を国民から預っているお金と考えずに、まるで予算編成者に与えられた金のように思う考え方でしょう。
だからこそ、“バラマキ”というような、上から目線の予算配分用語が出てくるのでしょう。(まさ)