老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

安倍首相の真珠湾慰霊訪問に思う

2016年12月06日 20時15分00秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
 安倍首相が12月末に現職の総理として初めて、ハワイの真珠湾を訪問してオバマ大統領と一緒に真珠湾攻撃の犠牲者を共に慰霊することになったようです。

 今年5月のオバマ大統領の広島訪問と献花に対する答礼ということになるのでしょうが、誰が見ても今回の唐突な慰霊訪問発表は、オバマ大統領の広島での言動に批判的なトランプ次期大統領に対する配慮や、ロシアへの牽制という面の方が強いでしょう。

 オバマ大統領は広島で、核兵器の全面的廃棄に向けてのメッセージを発表されましたが、安倍首相のハワイでの発言内容はどのようなものになるでしょうか?

 早くも菅官房長官は“戦没者の慰霊のためであって謝罪ではない”と予防線を張っていますし、首相の今までの言動から推察すると、「二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない」「戦争で亡くなった人たちの尊い犠牲の上に現在の平和がある」という歯の浮くような極めておざなりの言葉しか出せず、世界の人たちをがっかりさせるのは予想がつきます。

 真珠湾攻撃から丁度75年という記念の年での開戦の地を訪問ということを考えれば、6日付の毎日新聞で保坂正康氏や松尾文夫氏が指摘されているように、必要なのは責任回避のありきたりの言葉ではなく、あの戦争をどのようにどう見ているのかという自らのメッセージの発信が必要でしょうし、またこの後で日本が被害を与えた東南アジア各地への慰霊訪問がなければ、今回のハワイ訪問は無意味なものになるでしょう。

 米国の顔色を伺いながら、核兵器廃絶の国連決議に反対などしている以上は、如何に口で綺麗事を言っても、“国際的な平和に貢献する日本”というイメージへの理解などは得られないでしょう。(まさ)