(幸いにも、大阪は今回の台風の影響は殆ど無かったですが、九州や四国には知人も多く、心配しています。
今日は夕方から高校時代のバレー部のOB会があるので、恐らく帰宅が遅くなると共に、PCは開かないと思いますので、少し早めの投稿となりました。)
“大変な苦しみ。非常に苦労すること”を「四苦八苦」と言いますが、この「四苦八苦」は本来、人間のあらゆる苦しみのことをいう仏教語です。
即ち、「四苦」とは「生・老・病・死(しょうろうびょうし)」のことで、人間として逃れられない必然的な苦しみをさします。
また、「八苦」とは、生老病死の四苦に人間として味わう精神的な苦しみ、即ち「愛別離苦(あいべつりく):愛する人と別れる苦しみ」、「怨憎会苦(おんぞうえく):怨み憎む人と出会う苦しみ」、「求不得苦(ぐふとくく):「求めるものが得られない苦しみ」に「五陰盛苦(ごおんじょうく):存在を構成する物質的・精神的五つの要素に執着する苦しみ」の四苦を加えた八つの苦のことを言い、四苦と八苦で十二苦あるわけではありません。
俗説として、四苦八苦の四苦を「4✕9(しく)」、八苦を「8✕9(はっく)」の意味とする説もあります。
これは、4✕9=36、8✕9=72を足すと108となるため、煩悩の数を表しているというものですが、四苦八苦を数字に置き換えて計算してみたら、108で煩悩の数になったというだけの話であり、掛け算が語源になっているわけではないでしょう。
尚、私事ですが、昨年末にツレアイが亡くなって「愛別離苦」を体験しましたが、その後毎朝ツレアイとご先祖の位牌に向かって「般若心経」を唱えています。
また、9月には四国八十八カ所霊場を回ろうと思っているので、最近は仏教というか「般若心経」の内容に大変関心を持っています。
従って、この「四苦八苦」という言葉の意味も素直に頭に入るのですが、普段何気なく使っている言葉も仏教的な解釈を知ると、より奥深い意味があるということで、この「四苦八苦」の言葉の「苦」という言葉も非常に大切になってきます。
通常「苦」と言えば、“くるしい。くるしむ。にがい。”などの意で疑いもなく使いますが、仏教では“人間の心身を悩ます状態”を言い、従って<都合通りにならないこと>を意味するとの解釈もあるようです。
本当に奥深いですね。(まさ)
※ この項は「語源由来辞典」や「心がすっきりかるくなる般若心経」(名取芳彦 永岡書店)などを参考にさせて頂きました。