素振りブログ。

一般でスピーチできる話の素振りのはずなのに、無理な話がほとんどのブログ。

平安GARO映画観て来た

2018年10月08日 17時22分46秒 | 日記
こういう道長を見たかったんだよ。
権力の亡者で、自分で自分の格を下げるような小賢しい振る舞いをするしょうもない男は見たくなかったんだよ。

面白かったです。薄墨桜。
道長を「特別な超能力など持たないが、怪物と言っていい人間」として描いてたのも良かったですけど。
平安時代らしい歴史要素。
そして敵の掘り下げ。

映画の敵の目的は「復讐」なんですが。
藤原氏に追い落とされた菅原道真の血筋の者の復讐。

復讐に燃えるということはどういうことか。
恨みは溜めておくほど深く濃くなるもの。

濃くなって煮詰まった恨みを解放する快感は、何物にも代えがたい快感。
それは「恨みを晴らして何になる」「お前たちと同じものを再び作る気か」
そんな理性的な言葉で静まるような甘いものじゃない。

正面から復讐鬼を描いてくれた感じで面白かったです。
眼の描写が良かったのよね。
敵の「復讐鬼」の眼。
一族が味わった辛酸の代償を払わせてやる、と都に凶悪なホラーを引き連れて攻め入ってくるんですけど。
その愉悦に歪んだ瞳が化け物のようで。

こういうのがいいのよね。
自分の恨みの正当性を口にしながら復讐の腕を振るっているけど。
そういうお前は怪物そのものになってるぞと。

まあ、そんなこと言っても毛ほども響かないんでしょうな。
(そこが良い)