https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170402-00010003-dime-lifeから
大半の人は少なくとも一度は、歯のトラブルで歯科医のお世話になっている。特に虫歯・歯周病が進行して、痛い目にあった人も多いだろう。風邪と同じくらい身近な病気であるにもかかわらず、虫歯・歯周病について世間で知られていない事柄はとても多い。今回は、その中でも意外性の高いもの7つをピックアップして紹介したい。
その1:条件が揃えば虫歯は自然に治る
神経まで到達するようなひどい虫歯でも、冷たいもの、甘いものを食べず、歯磨きの時もあまり患部に触れないようにするなどケアすることで、自己治癒が進んで治ることがある。これは、再石灰化といって、歯には自己修復機能が本来備わっており、条件が揃えば治ってゆくようにできているのである。ただ、そうした条件を満たすことは難しく、虫歯が進行してしまって歯医者に駆け込む方が、ずっと多いのが現実。
その2:口呼吸は虫歯・歯周病のリスクを増大
口で呼吸すると、抗菌作用を持っている唾液が乾いて、細菌が増殖しやすくなる。結果として虫歯・歯周病にかかりやすくなってしまうし、口臭もきつくなる。呼吸は、本来鼻で行うもの。もし鼻づまりのせいで口呼吸になっている場合は、すみやかに耳鼻科で治療を受けたい。
その3:歯周病は、糖尿病などの重い病気を悪化させる
歯周病が進行して、歯周ポケットが深くなると、そこでサイトカインと呼ばれるタンパク質が増加する。サイトカインが、歯肉の血管から血液中へと運ばれると毒性を持ち、糖尿病や骨粗鬆症といった重い病気を悪化させ、脳卒中や狭心症のような循環器系の病気の発生率を増す。歯周病を放置しては危険なのは、このように多くの全身病と関係するためである。
その4:日本は歯周病大国で、日本人の7割以上が歯周病患者
日本は予防歯科後進国といわれ、20代の若い日本人の7割が歯周病にかかっており、65歳以上になるとほぼ全員が歯周病患者だという。義歯(ブリッジや入れ歯)を入れている人の割合は、45~54歳の年齢層で35%もおり、年齢が高くなるにつれその率は増加するが、これも歯周病の罹患率と関係が深い。冷たいものが歯にしみる、歯肉を押しただけで血が出るといった症状は、歯周病のサイン。歯科医の診察を受け、早期の処置を受けるよう心掛けたい。
その5:飼い犬から飼い主に歯周病が移ることも
アニコム損害保険の調査によると、飼い犬の8割近くは歯周病の予備軍だという。実際に歯周病を発症するのは、10歳の老犬で3%程度であるものの、愛犬が飼い主の口を舐めて、飼い主に歯周病菌が移ることリスクもあり、油断は禁物。獣医師は、愛犬に1日1回の歯みがきを勧めており、これだけで歯周病の素因となる歯垢・歯石の付着を予防できる。
その6:子供の虫歯は減っている
成人の歯周病の深刻な状況とは逆に、子供の虫歯は減ってきている。20世紀の終盤において、12歳児(小学六年生)の虫歯の本数は4.6本であったのが、今では0.9本へと激減し、「子供に虫歯はあって当たり前」だった時代が過ぎ去ろうとしている。これは、口腔衛生意識の向上と学校歯科保健の働きが大きくかかわっている。
その7:免疫力の低下で生じる口臭もある
虫歯や歯周病が、口臭を生じることはよく知られているが、内臓機能や免疫力が低下して生じる口臭もあり、注意が必要になる。口の中には、数百種類の細菌が住みついており、歯をよく磨いている人でも総計2,000億個の細菌がいる(歯を磨かない人になると1兆個)。そのため身体の免疫力が低下すると、細菌の数は激増し、口臭の悪化につながるというわけ。