1975年発売のM645とその翌年発売されたM645 1000Sとの違いは、
1.巻き上げノブ Body側面からの凸高さが低くなって、その分Body幅が小さくなり、全体的にもスマートになった。ノブのデザインも流線的になってスタイリッシュになった。Film巻き上げの操作性は、(ただの慣れかも知れないが)旧タイプの無骨な方が良いように思う。Filmを巻き上げた感じは、やはり工夫があるようで、幾分軽くなり音も静かで、しかし高級感が伝わってくるような感触がある。ノブ自体は交換可能なので、操作性重視で慣れた旧型と交換しても良い。
2.シャッター 先ず、1/500max(秒)に1/1000max(秒)が追加された。実力1/1000であるかどうかはともかく高速化された。このタイプのカメラとしては、あまり使うことはないように思うが、それでも当時の1/1000max(秒)というのは、かなり挑戦的な値だったのではないだろうか。また1/1000maxを追加するために、周辺を見直したようで、シャッターの衝撃、ミラーの反動などがソフトになったように思う。さらに、シャッター調整ダイヤルにロック機能が追加された。不用意に回らないようにという配慮かもしれないが、ロック無しの旧タイプとて充分不用意には回らないのだが。
3.絞り確認レバー レンズにはAuto/Manual切り替えスイッチがある。Autoにすると常に開放(TTL)なので、絞りの按配(被写界深度)を確認するにはManualにする必要があった。しかし、切り替えスイッチがレンズの最もBody側にあるため、これがかなり面倒な操作であった。これをレンズの方をAutoにしたまま、レバー1つで簡単に確認できるようにしている。
4.セルフタイマー機能を追加 自分撮影の場合は欠かせないが、使う機会はかなり少ないように思う。一般的に無いよりは有った方がよいというものだが、3~40年前と言えども確かにセルフタイマー無しのカメラの方が珍しいのかもしれない。
5.本体カバー Film装填用カバーだが、これは当初から二重ロックになっている。しかし、勘合性がどうも今一つで、当初からカバーがうまく閉まらない。無理に押すと変形してしまったりするので注意が必要。この辺も1000Sで見直したようだが、相変わらずである。ちょっとしたコツもあるようだが、そもそも構造上に無理があるのかもしれない。まあ、個性と言えばそれまでだが。