人間は、文化や民族や風習をを超えたところで、
花を愛する存在だけれど、それはどうしてでしょうか。
原始時代といわれる時から、私たちの祖先は、
お墓に花を供えていた証拠も知られていますね。
入院している知人を見舞うときに、私たちは
花束を持って行くけれど、実はこの花束には、
かなり現実的な効果もあります。
花束をもらった患者は、病気からの回復が促進され、
精神的にも向上することは、いくつかの研究によって
支持されています。
世界中の人たちが、花を愛しています。
別に食べられるわけでもないのに、不思議じゃ
ありませんか。
(書いていて菊の花が食べたくなりました。
それから、桜茶が飲みたい)
「そんなのきれいだからに決まってんじゃん」
と言われると確かにそれまでなのだけれど、
これには、進化心理学的な仮説もあるんです。
その昔、狩猟などが食糧の全てだった時代、
木の実も果物も野菜も何もない冬は、私たちの
祖先にとって、それはそれは過酷な時でした。
花は、そんな過酷な冬の終わりを示唆し、
緑や果物の到来を知らせる、とても大事なサイン
だったわけです。その時から、人類は、花を見ると
こころが明るくなり、その条件反射的な感情が、
長い時代をかけて、私たちの脳の一部に
組み込まれた、という説なんです。
そういうわけで、私たちの祖先は、花によって、
希望に満ちた春の到来を知らされていた、故に
花が好きになった。現代人が花を好むのは、その
進化の過程のなごりである、というお話でした。
これが本当かどうかは、推測はできても、特定する
ことは誰にもできないわけだけれど、感慨深い説だなと
思うんです。そこに、何らかのロマンのようなものを
感じたりします。