随分と日が伸びた。
信号が青に変わって大通りを渡っていると、自分のようないでたちの会社員風の男性が立ち止まってスマートフォンを空に向けているのが視界に入ってきた。
その男性はふと我に返ったように前を向いて、こちらに向かって横断歩道を歩き始めた。
自分は横断歩道を渡り終え、彼が立ち止まっていた位置に行き、彼がスマートフォンを向けていた方向を見ると、はっとするような雲が無数に浮かんでいた。
しばらく空に見入っていたが、ふと視線を感じて振り向くと、さっき自分がいた位置からその男性がこちらを見ていた。
そういえば最近あまり日中の空を見ていなかった。見るのは星空ばかり。
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