スミダマンのほのぼの奮戦記

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奈良の旅 (その7) 法輪寺

2018-01-23 06:16:06 | 旅 ~国内

斑鳩の北の端、三井の里にある法輪寺は、聖徳太子の御子、

山背大兄王創建とも伝えられ、飛鳥時代の仏像と

昭和50年再建の飛鳥様式の三重塔で知られている。

昭和25年の発掘調査では規模は法隆寺西伽藍の

三分の二であることなどが明らかになり、

7世紀中には寺観が整っていたと考えられている。

斑鳩三塔の1つとして親しまれてきた当寺国宝、三重塔は

昭和19年(1944年)7月21日、落雷で焼失した。

幸い仏舎利を修得することができ、直後に再建を発願したが、

焼失のため国宝指定は解除となった。しばし、再建は困難を極めたが

地元の方々、作家幸田文はじめ全国からの支援もあって

昭和50年木工事は宮大工西岡常一棟梁のもと、全く同じ場所に

同じ姿で返すことができた。

本来は僧が勉強するための堂がこの講堂だが、現在の講堂は

昭和35年に耐火耐震の収蔵庫として改築されたもの。

講堂内でご住職から法輪寺の歴史、所蔵の仏像など

詳しい説明を直に聞くことができ、貴重な体験となった。

それによると、法輪寺では平安仏を多く伝えることから、

平安時代には寺勢は盛んであったことがうかがえるが

その後衰退して江戸時代初頭には境内に三重塔を残すのみとなった。

前写真、住職の右に見えるのが、講堂の本尊、「十一面観音立像」で

重要文化財。10世紀頃平安時代のもの。そしてこの仏様は

7世紀中頃飛鳥時代の作と考えられ、止利派の仏師によって

つくられた「虚空蔵菩薩立像」でやはり重要文化財。

他にも8つの重要文化財を保有している。

講堂から表門に向けて右手に三重塔を見ながら。開放的で

明るい境内をのんびり過ごさせてもらった。

青く澄み渡った空を見れば、松の木と甍の向こうに午前中だというのに

ぼんやり月が。ここは斑鳩の里のポエムが流れている。