国登録有形文化財 会席料理 二木屋
さいたま市中央区大戸4-12-4
TEL 048-825-4777
定休日 第1月曜日 (他に不定休)
営業時間 午後5時半~10時迄
駐車場 12台
国の登録有形文化財に指定された二木屋さんの建物は
鳩山内閣の時、厚生大臣を務めた小林英三氏の私邸。
その豪奢な佇まいをそのままに、料理屋へと生まれ変わった。
今までも2回、ブログアップ(2012-5-23付、2013-10-13付・・・
薪能中心のブログ)してきたが、今回は建物(お部屋)
置物(室礼)中心に進めていきます。
平成25年12月、和食・日本人の伝統的な食文化が
ユネスコの世界無形文化財に登録された。その時に祝して
作られた提灯が今でも提げられている。和食には4つの
特徴があると言われている。
① 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
② 健康的な食生活を支える栄養バランス
③ 自然の美しさや季節の移ろいの表現
④ 正月などの年中行事との密接な係わり
かがり火がたかれた広い庭。季節的につつじが随所に咲いていた。
やはり、邸宅は庭とセットでその価値が高まる。
昭和のホッとする空間がここにはある。
古く懐かしい日本家屋の邸宅には離れ的な洋館があった。
シャンデリアが下がり、床はフローリング。マントルピースがあり
重厚でお洒落な空間だ。今の邸宅が和室と洋室の
スペースが逆になっているのは時代の流れだ。
こちらの着物の女性が若女将の森田まり子さん。
彼女は二木屋を更に良くする為に本当に熱心に取り組んでいる。
この部屋が当店で一番大きな部屋だ。ここから庭が眺められ、
特にここは和洋折衷な大正ロマンの雰囲気が漂っている。
因みに二木屋さんは席数が80席ある。
部屋と部屋を繋ぐ廊下の天井には端午の節句の
幟りが飾られていて一風おもしろい演出をしていた。
一番奥にあるこの部屋は襖で仕切ることができ
開けると格調ある部屋となる。今は和室でもテーブル椅子席で
使うことが多くなり、和洋の雰囲気がすっかり馴染んだ感がある。
この部屋の天井から吊るされた「人気大寄せ」(京都)、
関東の熊手と同じく先客万来を願うものだそうだ。
和室から木製ベランダ、廊下が続いて蔵の様な建物に
繋がっている。これもおもしろい空間となっていたのでパチリ。
若女将曰く「4月16日に新室礼(しつらい)を行いすごく大変だった」。
確かに全室に郷土玩具コレクションを飾るのは想像するだけでも大変だ。
二木屋ではおそらく一番小さな四畳半の和室。
心落ち着く和のお部屋で、二人でひっそり、話をするには最高だ。
右側の硝子戸越には坪庭があり、室礼もシンプルで良い感じだ。
赤じゅうたんの廊下の角には存在感のある年季の入った
置時計があった。かなりの骨董品みたいで価値があるのだろう。
よく見るとスツールの中に小さな冑があった。
オーナーさんの御好意で厨房の中に入れてもらった。
本邦初公開で、貴重な写真となった。伊藤四郎料理長の
拘りの料理は後程ご紹介いたします。
庭の方を向いたカウンター席。ここで料理を食しているのかは分からない。
二木屋のご飯を焚いている籾穀釜がさりげなく玄関近くに展示してあった。
この楕円形の飾り棚良いナー好きだナー。
二木屋さんは室礼(しつらえ)をとても重視している。
4月半ばからは五節供(五節句・・・人日の節句、上巴の節句(ひなまつり)
端午の節句、七夕の節句、重陽の節句)の内の
端午の節供(菖蒲の節供)を飾っている。
廊下にはずらり元厚生大臣の小林英三の栄誉の額が飾られている。
昭和40年、裕仁天皇の国璽が押された勲一等。
昭和47年田中角栄総理による従三位。
二木屋のおばんどき会席料理のコースは6コース。
傘福4,900円、毎来6,000円、明覚8,000円、妙玖1万円、のざき13,000円(税別)
箸附 雲丹春野菜養老寄せ くのこ実と小鉢 広島こんにゃく
酢味噌掛け。(この料理は、二木屋創業者で
料理研究家の小林カツ子(文久2年1862年~昭和10年1935年)
の約100年前のレシピを再現したもの。)
前菜 鯛子煮凍り、長芋芽まぶ和え、ホタル烏賊
細魚黄身衣揚げ、かます南蛮漬け、飯蛸生姜煮
お椀 若芽豆富 帆立貝、水菜、椎茸、人参
造里 鮪、鯛、勘八、寄せ生海苔、山葵
揚物 天婦羅盛合せ、巻海老 アスパラ
谷中、筍、天汁、紅葉卸し
煮物 米茄子、地鶏吉野煮、粟麩、絹さや、パプリカ
酢物 新取菜 蓮根 サーモン トマト ゼリー酢
強肴 鹿児島産黒毛和牛素焼きステーキ
天日干野菜 クレソン 山葵
お食事 籾穀釜炊きご飯 (おこげ付)
そしてこの日のスペシャル カンブリア宮殿に出演した
鹿児島牛で日本一と称される薩摩川内市、
野崎喜久雄さんの「のざき牛」ステーキ
赤出しと香物
二木屋さんは日本の本物の食を残したい。
日本料理とは劇場と捉え、季節や行事に合わせて
室礼、料理、器も変えておもてなしをしている。