スミダマンのほのぼの奮戦記

~グルメ・旅・仕事・自然・地域~あらゆる出来事をフラッシュバック。

ブレッド湖散策(スロベニアの旅)

2019-08-06 06:10:55 | 旅 ~海外

ブレッド湖はスロベニア北西部ユリアン・アルプスがある

ゴレンスカ地方にある氷河湖で、ブレッドに隣接する

この地域一帯は温暖な気候の為、ヨーロッパ中の貴族が

訪れていた所でアルプスの瞳、アルプスの真珠と言われている。

長さ2,120m、幅1,380m、深い箇所で30.6m

湖にはブレッド島が浮かび、スロベニアでは唯一の自然の島である。

エメラルドグリーンの湖面と緑豊かなブレッド島へ行くには

pletanaと呼ばれる手漕ぎボートに乗っていく。

これは油を使うエンジン付きは湖の環境を壊す為

ここでは使用できないとの事。

このボートにはそれぞれ名前が付けられていて

漕ぎ手の妻や母の名前を付ける人が多いらしい。

この伝統的手漕ぎボート、プレトナボートは1590年頃から

聖マリア教会へ巡礼に訪れる人々を運び続けてきたと言われている。

平べったい底が特徴的な木製のボートで、

たったひとりの船頭さんが2本のオールを漕いで進める。

船頭さんのこの仕事はブレッドでも限られた人々にのみ

(23世帯の男子のみ)就くことが許されており、

お父さんから息子さんへと代々大切に受け継がれてきた。

まるでおとぎ話の世界からそっくり抜け出してきたような

ブレッド島の聖マリア教会が段々近づいてきた。

湖畔に静かに佇む立派な建物。

これはユーゴスラビアの大統領だったチトー氏の別荘だった。

チトー元大統領はこのブレッドをこよなく愛していたらしい。

尚この別荘には昭和天皇も来訪されたとか。

のんびりと湖を行き交う2隻のプレトナボート。

ここは本当に時間がゆっくりと流れ、癒される。

又、この湖はボート競技に条件が良い場所で過去4回

世界ボート選手権が開催された。

湖北岸、約130mの切り立った崖の上に建つ中世のブレッド城。

スロベニア最古の城のひとつで11世紀初頭に建てられたと記されている。

詳細は後日アップいたします。

ブレッド島に到着。

聖マリア教会には98段の階段を登っていく。

階段を一段一段進む度にまた異なる美しい表情を

見せてくれる湖に思わず足を止めて見惚れてしまう。

聖マリア教会入口の手前の中庭に立っていた石造のマリア像。

顔のまわりが黄ばんでいて何かを語りかけているようにも見える。

ブレッド島に建つ、街のシンボル的存在でもある聖マリア教会。

島に教会が建てられたのは8~9世紀頃に遡るとされるが、

17世紀になり現在の52mの白い巨塔が印象的な

バロック様式の教会へと改装された。

島と教会を空から撮ったポスター。

この島は写真では髙ければ髙い程、その美しさが際立ってくるようだ。

教会内部の写真。

祭壇の中央には聖母マリア像が、その両脇には11世紀に

実在したブレッド領主のヘンリック2世と

彼の妻のクニグンダの像が安置されている。

又、教会を訪れる最大の目的は鳴らすと願いが叶うと伝説を持つ鐘。

天井から長いロープが垂れ下がっているので

しっかり3回鳴らすことは結構難しい。

湖畔をじっと眺めながら愛を語っているカップル…のように見える2人。

ここでは定期的に結婚式が行われているとか。

その時は98段の階段を新郎が新婦をお姫様だっこをして登るらしい。

この夢のような島にも当然現実があり、働いている人がいる。

トラクターで作業していた男性を見ると

何か違ったインパクトを感じてしまった。

このブレッド湖を含めて今回の旅で見た湖、池、海は皆、

夢の世界のようなエメラルドグリーン色が多かった。

このバルカン半島は石炭岩でできている所が多いため

水に溶けて太陽光に反射してこの色になるらしい。

そして小魚がいっぱい泳いでいたのも目についた。

このおとぎの島ともお別れ、

また同じ船頭さんの船に乗って島を出航。

全く波がない湖面をじっと見ながら余韻に浸る心地よさ。

一時、天国の近くへ行けた様な気持ちに成った。

チトー元大統領別荘前に着岸。

そこから一般に開放されている広々とした散歩道を歩く。

その途中、ブレッド城と睡蓮、カルガモ一家、

そして自転車を楽しむファミリーと出会いながら次の地へ。

朗らかで気さくな人々の笑顔と美しい景観との出会いに感謝の

ブレッド湖散策でありました。