国の特別名勝に指定されている文化財庭園の中で最大の広さ(総面積約75ha(約23万坪)平庭部約16ha)を持つ栗林公園は
緑深い紫雲山を背景に6つの池と13の築山を巧みに配し400年近い歴史を誇る江戸初期の回遊式大名庭園だ。
ゾーンは大きく2つに分かれ南庭回遊コース(所要時間約60分)と北庭回遊コース(所要時間40分)がある。
スミダマングループは時間の関係上南庭を回遊した。
東門(切手御門)から入園。
栗林公園の起こりは、16世紀後半、当地の豪族佐藤氏によって西南地区に築庭されたことに始まるといわれ、
1625年頃に当時の讃岐国領主、生駒髙俊公によって紫雲山を背景に南湖一帯が造園され、現在の原型が形づくられた。
この門から北庭の回遊コースが始まる。
公園の沿革はその後、1642年に生駒氏に代わって高松に入封した初代高松藩士・松平頼重公(水戸光圀公の兄)に引き継がれ、
1745年5代頼恭公の時に園内60景命名をもって完成し、明治維新に至るまでの228年間、松平家11代の大屋敷として使用された。
明治8年に県立公園として一般に公開されるようになり、昭和28年には文化財保護法による「特別名勝」に指定され今日に至っている。
110個の石を組合せ亀を表現し、その背中に鶴が舞っているような姿をした黒松を配している。
園内でも最も姿の美しい松の「鶴亀松」(別名百石松)。
この木は桜の標本木だそうだ。
明治32年に香川県博物館として建築され、本館西館東館北館とそれを結ぶ廊下により
回廊構造となっている「商工奨励館」
栗林公園の情報や伝統的工芸品の展示・実演などを行なっている。
夜はライトアップも行なっている様で、和のかがり火の様な洒落た和紙風のライトが昼間でも雰囲気を出している。
公園の名前は栗林(りつりん)だが、庭園は造られた当初から松で構成されている。
園内には約1400本の松があり、そのうち約1000木が職人が手を加えている手入れ松だ。
約300年に渡って手入れされてきた松はまるで盆栽のような見事な枝ぶりだ。
南庭では南湖に次ぐ大きさの「北湖」。
池には2つの島が浮かび、東側には富士山の形をした「芙蓉峰」が築かれている。
ぼたん石と見返り獅子。
まったくの自然石であり、奥の石はぼたんの花、右手前の石は獅子が振り返った姿に似ていることから、
このように名付けられた。
一種独特の枝振りの松並木が続き、まるで松の生垣のようであった。
明治初期に建てられた石州流の茶室。
中には茶室が5部屋あり、両側に露地(茶庭)が設けられている。
講武謝といってこのエリアでは流鏑馬が行なわれていたそうだ。
ここ掬月亭は四方正面の数寄屋造りで、庭園の中心的な建物だ。
唐詩の一句「水を掬すれば月手に在り」から命名された。
「掬月の間」から南湖を望む景観は見事で、歴代藩主が大茶屋と呼びこよなく愛した建物だ。
広さ約7900㎡の大きな池「南湖」。
池の周囲を歩きながら楽しむ回遊式庭園として造られた。
池には3つの島と「仙磯」と呼ばれる岩組、偃月橋があり、周囲を散策したり、
舟で回遊しながら、景色の変化を楽しむように造られている。
岡山後楽園でもそうであったがここ栗林公園でも
新婚さんカップルが数組挙式を挙げていた。
とても風景に自然に溶け込んで古き良い日本の原風景を見ているようで妙に感動してしまった。
広い庭園内を歩いてしみじみ感じるのは樹木が本当によく手入れされていること。
感心してしまいます。
そして池といえば錦鯉。
いましたいました沢山群がるように。
しかしのんびりした時の流れでしたね。
「世界が認めた庭園美」
栗林公園はミシュラングリーンガイドジャポンで
「わざわざ旅行するに価値がある」を意味する三つ星として紹介された。
また「栗林公園の松」と「掬月亭」は二つ星、「偃月橋」と「飛来峰」は一つ星で
全てあわせると栗林公園は九つ星だ。
藩政時代、歴代藩主が舟遊びをされたときの舟を保留していた場所で
東隈と呼ばれている。
この約100mの直線の園路は江戸時代には藩主の馬場として利用されていた。
馬場沿いの土塁(築山)上に桜並木があったことから桜の馬場と呼ばれている
因みに文化財保護法で現在、特別名勝の指定を受けている庭園は、大名庭園6、寺院庭園13、その他庭園5のあわせて24庭園ある。