歴史に辿る 「自分とは何か」
考古学者 大村幸弘 さちひろ
大村 幸弘は、日本の考古学者。中近東文化センター主任研究員、アナトリア考古学研究所長、カマン・カレホユック遺跡調査隊長。
岩手県出身。盛岡藩の火業師で、エトロフ島事件に遭遇しロシア人の捕虜となった大村治五平の子孫。
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古代ギリシアや古代ペルシア帝国が勃興する以前、その中間のアナトリア(現・トルコ)に、
紀元前17世紀から紀元前12世紀にかけて強大な王国があり、エジプトと覇を競っていました。
それがヒッタイトです。史上はじめて鉄器を使用し、絶大な武力をもってオリエント世界に君臨しました。
しかし、突然の滅亡後は歴史の彼方に忘れ去られ、その都の場所さえ不明となっていました。
やがて、3000年の時が流れ、19世紀になって旅行者によりボアズカレ近郊で大きな遺跡が発見され、
20世紀にドイツの考古学者の発掘調査が行われ、ヒッタイトの遺跡であることが確かめられました。
考古学者の大村幸弘氏は約半世紀、トルコに根を下ろし、いまもなお遺跡の発掘作業を続けておられます。
日本に帰って研究を続ける学者が多い中、大村氏のようなケースは希だといいます。
現地の協力者と共に土と汗にまみれて進める研究はやがて大きな実を結びました。
世界最古の鉄のハガネの発見です。
この発見は世界史を塗り替える可能性を秘めており、今後の研究が注目されます。
カマン・カレホユック遺跡
狭い谷はボガズキョイのこと、ここにヒッタイトの首都は発掘される
黒い山はカラテペのこと、ここでヒッタイトの言語解読のための碑文が発見される
その間70年 幾多もの探求者たちによって失われた帝国はこうして歴史世界に組み込まれた
「自分とは何か」考古学者 大村幸弘
岩手県出身。盛岡藩の火業師で、エトロフ島事件に遭遇しロシア人の捕虜となった大村治五平の子孫。