100分de名著 『古代研究』 折口信夫
第4回 「生活の古典」としての民俗学
戦後の学問は、分野ごとに明確に線引きされ論理と実証のみによって事象を解き明かすことが主流になっていた。
しかし折口は、そのような細分化した学問では人間の心性を探ることはできないと真っ向から批判する。
文献のみに頼る研究だけではなく、身近な年中行事や日本各地に残る祭礼を掘り下げ、古代人の心を肌で実感し思考することの大切さを訴えたのだ。
その背景には、私たちの心は深いところで古代人と繋がっているという「実感」こそが、私たちの心を豊かにしてくれるという折口の信念があった。
第四回は、折口が「生活の古典」と呼んだ、私たちの生活に沁みとおった文化の基層としての「民俗」に迫っていく。
HAUSER - Song from a Secret Garden
(マラヒトの転で、稀に来る人の意。 江戸初期までは清音。
マロウドとも)大空・海の彼方・常世国などから来て村々をめぐり、富や齢をもたらし、その年に行うべきことを予告すると信じられている神。
「なまはげ」のように異形であったり、祖先神であったりする。
まれびと、マレビトは、時を定めて他界から来訪する霊的もしくは神の本質的存在を定義する折口学の用語。
折口信夫の思想体系を考える上でもっとも重要な鍵概念の一つであり、日本人の信仰・他界観念を探るための手がかりとして民俗学上重視される。
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