100分de名著 『いのちの初夜』北條民雄
第2回 「いのち」を観察する眼
絶望の只中にあった尾田は、佐柄木という一人のハンセン病患者に出会う。彼は無私ともいえる態度で、甲斐甲斐しく重症患者たちの介護を続ける。
だが尾田はそんな佐柄木に嫌悪を感じる。夜になり庭で自殺を試みて失敗するが、その一部始終を佐柄木にみられてしまう。
佐柄木は、そんな尾田に「新しい出発をしましょう。それには、先ず癩に成り切ることが必要だ」という意味深長な言葉を投げかけるのだった。
第二回は、佐柄木という人物が投げかける問いによって「いのちそのもの」に向き合い始める主人公・尾田の心境の変化を通して、あらゆるものを奪い去られても、ただ一つ残るかけがえのないいのちの意味を考える。
Dinner/Nocturne - Yo Yo Ma plays Ennio Morricone
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます