ららみ先生のピアノのおけいこ

自閉症でも、発達障がいでも、
両手でピアノが弾けるんです♪
ピアノが弾けるって、素晴らしい!

通信制高校の面談の前に

2024-10-26 | ADHD児 頑張るT君

ある日のレッスンの時、
テツ君(高1)は、椅子に座るなり

「僕、レッスンが終わったら、通信制高校の面談に行くんです。」
と言いました。

どうやらテツ君は、今の高校を中退して、
通信制の高校へ行く方向に、心が傾いているようです。

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不登校と医師の診断書
https://blog.goo.ne.jp/soraminosorami/d/20240929

 

 

「だから僕、緊張しているんです。」

と言って、テツ君は溜息をつきました。

「そんなに緊張するの?」

「僕、すぐ緊張するタイプでしょ?
だから今、メッチャ緊張してるんですよ。」

「そうなんだ。
でも、試験じゃないんでしょ?」

「まぁ、試験じゃないんですけど。
あぁ~緊張する~

そう言いながら、テツ君は何度も溜息をつきます。

なんか、ピアノのレッスンどころではない雰囲気です。

 

 

~~~~~~~~~~~~

思えばテツ君は、小学生の頃から学校を休みがちで、

中学の頃は、ほとんど支援室で過ごしていました。

それでも希望する高校に入学し、
最初の頃は楽しそうにしていたのですが。。。

やはり無理があったのかな?

最近は、ずっと行けていないようでした。

 

それでもテツ君の不思議なところは、
学校に行けていないことを私に隠さないところです。

中学の頃から、こちらが聞くわけでもないのに、

「僕、最近学校に行っていないんですよ。」
と、アッケラカンと言っていました。

先週も、
「先生、僕、最近また学校に行けなくなったんですよ。」
と明るく言うので、

「あら、そうなの?  何でかしらねぇ。」
と私も軽く答えたりしました。

 

このテツ君の屈託の無さは、きっとお母様の育て方だと思います。

小さい頃から凄く大らかに育てていらっしゃいました。

テツ君が小学2年生の頃だったかな、

顔に、猫のような黒い縞模様とヒゲを描き、
意気揚々とレッスン室に入って来たことがありました。

「え~っ  テツ君、どうしたの?

「僕、自分の顔に猫の模様を描いたらどうなるかな?と思って
マジックで描いてみたんです。」

「もう  先生、ビックリしちゃったよぉ。」

私がビックリしたので、テツ君は満足そうです。

 

「僕、本当の猫みたいでしょ?」

「うん、猫が入って来たかと思って焦ったよ。」

「やっぱりそう思った?」

テツ君は嬉しそうです。

「うん。  でも、お母さんに叱られなかった?」

「お母さんも笑ってた

 

この時、私は凄く感動したのです。

もし自分の子供が、おけいこ事の直前に同じ事をしたら。。。

私は焦って顔のマジックを消そうとするでしょう。

そして、笑うどころか叱ったと思います。

それをテツ君と一緒に笑うなんて、
凄く素敵なお母様だな、と思った記憶があるのです。

~~~~~~~~~~

 

私がそんな事を思い出している間も、
テツ君は「あ~緊張する~」と言い続けています。

「テツ君、面接はきっと大丈夫よ。」

「何で分かるんですか?」

「だって、テツくんは良い子だもん。」

 

私がそう言うと、テツ君は真顔で

「まあ、そうですね。」と言いました。

「うん、だから堂々と面接を受ければ大丈夫

「はい

 

テツ君の、こんなところ

どうかこの良さが、いつまでも失われませんように。。。

そう願っています。

 

 

 

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石村嘉成さん親子の講演会~早期療育の勧め

2024-10-22 | 自閉症の画家・石村嘉成さん

10月21日、

自閉症の画家・石村嘉成さんとお父様の講演会
【石村嘉成のキセキ~発達障がいの我が子と歩んで】

を聞きに、横浜まで行って来ました

 

とても実りある講演会で、非常に勉強になりました。

お父様の石村和徳さんが、御家庭での療育の様子をお話しくださり、

その後で、嘉成さんの版画実演(ライブドローイング)がありました。

講演の内容をメモしましたので、箇条書きにて御紹介致します。

 

 

河島淳子先生(医師・トモニ療育センター)の療育方の素晴らしさ


河島先生の療育に出会ったからこそ、今の嘉成さんがいる

脳の障害は容易なものではなく、障がい児は育てにくく歪みやすい

障害児の育児と教育には
【適切さ】【一貫性】【継続的】の全てが必要

分かりづらい子に学ばせるには、常に多くの工夫がいる

母親には【知識ある愛】が必要

【無知なる愛】が1番いけない

厳しくしても、子ども達は、それが深い愛であることが分かっている

 

 

石村家・御家庭での教育方針


社会に受け入れられる子に育てたい

みんなに可愛がられる子にしたい
何故なら、親亡き後のことは、他人に委ねないとならないから

感謝出来る子にしたい

この子にしかない魅力を持った人間に育ってほしい。

 

 

早期療育の勧め


親が子どもに対して違和感を感じた時が大事

医療機関等の「小さいので様子を見ましょう」で安心してはいけない

「様子を見ましょう」は悪魔のささやき

療育を先延ばしにしてはいけない

2歳児にとっての1日は、60歳の30日分に相当する

療育は、早ければ早いほど効果が出る

 

 

幼児の療育の基本


嫌がっても泣いても座らせる

叩かない   叱らない   怒鳴らない
しかし譲らないで教える

自閉症児の機嫌をとって教えてはならない

常にこちら側(教師や親)がリードする

したくない事でも やる我慢

やりたい事でも しない我慢

 

 

嘉成さんが10歳の時にお亡くなりになられたお母様の手記より


子どもにいろんな経験を積ませる中で、親も子も学び、
突破すると自由になれることを私達は知った。

母と子が真剣に向かい合うことによって、
子どもはより母親を信頼し、
母親も子どもがますます可愛く思えてくる。

嘉成には、健常児の何倍も適切に、真剣に関わっていかなければならない。

しかし、親子共に努力したが故に、得られる喜びや感動も何倍もである。

 

 

最後に行った版画実演(ライブドローイング)も、とても盛り上がりました。

実際にお会いした石村嘉成さんは、とても素敵な青年で、

澄んだ瞳が印象的な、なかなかのイケメンさんでした。

握手をして頂いたのですが、骨太のガッチリとした手で、

この手で沢山の絵を描き、版画を彫ってきたのだなぁ、と感動しました。

益々の御活躍が、本当に楽しみです

 

 

 

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不登校の大学生とドライブ・座る位置について

2024-10-17 | 不登校

先月のある日、
大学生の男の子と2人で、海の見える街までドライブしてきました。

えっ?何で

 

実は、その男の子のお姉さん(息子の同級生)に頼まれたのです。

お姉さんが言うには、
その男子大学生・フミヤ君は、長い間休学しており、

来年復学しないと除籍になるのに、
家族とも喋らず引き籠もり、

復学する兆しも無く。。。

 

そんな弟の将来が心配でたまらないお姉さんに、

「このままでは弟が心配なので、何とかして下さい。」

と言われたのですから、
私も何とかしないわけにはいきません。

 

以前、同じマンションに住んでいたので、
フミヤ君の事は よく知っていました。

小さい頃は、何度もウチに遊びに来ていました。

でも、よく知っているとはいえ、
「話があるから、オバサンの家においで~」と言ったら、

フミヤ君は身構えるでしょう。

 

なので、
「オバサンね、久しぶりに海が見たいんだけど、
運転に自信が無いから、フミヤ君、一緒に行ってくれないかな?」

と誘ってみました。

 

誰にも心を開かない~と聞いていたので、

きっと断られるだろうな。。。と思っていたのですが、

意外にも、「いいですよ。」と返事が来ました。

 

 

。。。と云う訳で、私とフミヤ君はドライブへ。

オバサンが隣に座るのは嫌だろうな~と思ったので、
私は後ろの席に座りました。

あと、斜め後ろに座ったのは意味がありました。

それは ちょうど、レッスン中の生徒さんと私の位置に似ています。

この位置だと、お互いの顔が見えないので、
生徒さんは緊張せずに、何でも話せるのです。

 

 

さて、何の話をしようかな?

最初は天気の話かな?。。。と思ったのも束の間、

いきなりフミヤ君のお喋りが始まりました

 

偶に、夜中に1人でドライブしていること。

結構遠くまで行くこと。

そんな時は車の中で眠るんですよ。。。と、話し出し、

その時に観た景色、食べた物、遠くの街の道路事情まで

一気に喋ります。

私は相づちを打つだけでした。

 

あれ?  誰とも喋らず、鬱っぽいって聞いていたのに?

だから、何とか病院に行かせたいってお姉さんは言っていたのに?

 

目的地に着いて、少し歩いたり、一緒に食事をしたのですが、

その間も、フミヤ君は ずっと喋っていました。

自分のスマホで撮った 綺麗な景色の写真を見せてくれたりもしました。

 

そして帰りの車中では。。。

好きな音楽について、熱く語ってくれました。

音楽(ゲーム音楽)についても凄く詳しくて、
色々な例を挙げて、様々に語ってくれたのですが、

ごめんね、オバサン、ゲーム音楽は詳しくないのよ

私がゲーム音楽に詳しかったら、
フミヤ君も、もっと楽しかったでしょうに

 

そんな感じで、ドライブは終わりました。

フミヤ君は楽しかったのかな?

オバサンに気を遣って6時間も喋り続け、
グッタリしているんじゃないかな。。。

 

そう思っていたら、お姉さんからLINEが来ました。

「弟が、すごく良い顔で帰って来ました。
とても楽しかったみたいです。
また誘ってあげてください。」

 

そして、フミヤ君からもLINEが。

「お薦めの曲を送るので聴いてみてください。」

何と、ゲーム音楽が7曲も貼ってありました

 

 

今回私は、フミヤ君が大学を休学しいることを
全く知らないフリをしました。

多分、そんなことは他人に知られたくないでしょうから。

それから、なるべく相づちを打つだけにしました。

お説教じみたことを言わない予防線です。

そして、斜め後ろに座ったこと。。。

 

フミヤ君が機嫌良くお喋りしたのは、
案外、これが功を奏したのかもしれません。

今回を切っ掛けに、引き籠もりが少しでも改善したらいいなぁ。

もともと明るくて、とても良い子だったのだもの、

本来の姿に戻り、
復学して、残りの学生生活も楽しんでほしいなぁ~と願っています。

 

 

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自閉症の画家・石村嘉成さんの講演会が、横浜で開催されます!

2024-10-12 | 自閉症の画家・石村嘉成さん

自閉症の画家・石村嘉成さん。

(本当は、「自閉症の」という枕詞は付けたくないのです。
純粋に素晴らしいの芸術家なのですから。
ただ、石村さんを御存知でない方の為に、一応そう書いています。)

 

嘉成さんのお父様のブログを、毎日チェックしています。

以下は、一昨日(10月10日)のブログです。

 

 

 

 

版画家として目覚ましい御活躍をされている石村嘉成さん。

関東地方でも講演会が開催されることになりました。

 

 

日時       10月21日(月)

場所       横浜市社会福祉センター  
                   4階ホール

申込先   0120-33-5472        

 

 

 
重度の自閉症に生まれた石村さん。
 
御両親が行った療育を、お父様が詳しくお話ししてくださいます。
 
当日は、嘉成さんの版画実演も行われるそうです。
 
 
勿論、私も申し込みました
 
今から楽しみでたまりません。
 
関東地方にお住まいの方は是非
 
 
 
 

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ピアノの前に絵を描く訳

2024-10-08 | 広汎性発達障がい H君

ハル君(広汎性発達障がい)は小学2年生。

4歳直前の春から私の教室に通っています。

最初の頃は、鉛筆を持つ事が出来ず、短期記憶が苦手でした。

 

なので最初は、鉛筆を持つ事から指導を始めました。

あと、リズム打ちで短期記憶を鍛える試みもしました。

初めの頃は、手を叩く事すら難しい様子でしたが、

1年程根気よく指導をしたら、
2小節は完璧に覚えることができるようになりました。

 

2小節を覚える~と書くと、一見簡単そうですが、

例えば、4分の4拍子の場合、

タン タタ タン タタ | タタ タタ タン うん ||

こうなるので、慣れないと大人でも難しいと思います。

 

しかし今は、そんな時代があった事すら忘れてしまう程、
ハル君は何でも出来る様になりました。

最近のハル君のブームは、ちょっとした絵を描くことです。

レッスン室に入るなり
「僕、絵を描きたい!」と言います。

 

なので私は、紙と色鉛筆を用意して、好きに描かせるようにしています。

そうすることで、その後のレッスンが落ち着くからです。

3週間前は、トラの絵を描きました。

特徴を捉えて、感心する程上手でした。

 

2週間前は、クロワッサン。

生地の層まで丁寧に描いて、すごく美味しそうに仕上げました。

 

そして先週は私の顔。

「可愛く描いてね。」と言ったら、無言だったのは気になりますが(笑)

特徴を捉えて、実物より美人に描いてくれました

 

絵は、だいたい5分位で出来上がります。

出来上がったら、私はボードの上に飾ります。

ハル君は満足そうなお顔で出来た絵を眺めます。

凄く穏やかで、幸せそうなお顔です。

 

気の済んだハル君に

「さあハル君、今からはピアノの時間ですよ。」
と声をかけます。

 

「もっと描きたい。」と駄々をこねる時もありますが、
そんな時はキッパリと断ります。

「ここはピアノの教室ですよ。」

私がそう言うと、
大抵は「わかったよ。」と言ってくれます。

きっと、絵を描く事で、気持を落ち着かせているのだと思います。

 

ハル君の、ピアノの前のお絵描きタイム。

当分続きそうです。

 

 

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