ららみ先生のピアノのおけいこ

自閉症でも、発達障がいでも、
両手でピアノが弾けるんです♪
ピアノが弾けるって、素晴らしい!

「エリーゼのために」を1年間指導した訳

2022-06-27 | アスペルガー児 Y君

前回の記事で
「エリーゼのために」の指導に1年かけた~と書きました。

1曲にかける時間にしては異例の長さだと思いますが、
これには訳があったのです。

 

まず、ヨウ君の譜読みに時間がかかったこと。

それから、ヨウ君の性質上、
ゆったり、のんびり指導した方が効果的だと思ったこと。

以上の様な事情がありました。

そして何より、ヨウ君自身が、
芸術的に弾けることを望んでいましたので、

中途半端なレベルで合格を出すのは、
ヨウ君に対しても失礼かな?という思いもあったのです。

 

なので、私は、「エリーゼのために」を使って、
様々なピアノ技法を 徹底的に指導することにしました。

「エリーゼのために」の前は、
ブルグミュラーの「アラベスク」を、
ようやく弾いていたレベルでしたので、

ヨウ君は、速いパッセージを弾く事に慣れていませんでした。

また、装飾音符や 半音階を弾くこと、
そして、ペダルを踏む事さえも初めてでした。

 

なので、「エリーゼのために」を使って、
それらを念入りに指導しました。

時には、装飾音符の弾き方だけで
レッスンが終わったりもしましたが、

ヨウ君自身、
大好きな曲を上手に弾きたい!という思いが強かったので、
素直に、そして熱心に練習してくれたと思います。

 

そうは言っても、
同じ曲を長く弾いていると飽きるんじゃないかな?
という不安もありましたので、

「随分長く弾いてきたけど、他の曲も弾いてみる?」
と尋ねたことがありました。

するとヨウ君は
「もう少し、上の演奏を目指します。」と言いました。

きっと音楽が好きなヨウ君は、
妥協をしたくなかったのだと思います。

 

なので私は、ヨウ君が飽きない様に、
レッスンの合間に、歴史的な背景や、
ベートーベンの恋愛事情等も話しました。

ヨウ君は とても素直な性格なので
そんな話にも、いちいち驚いたり感心したりしてくれて、

私自身も、楽しいひとときを過ごすことが出来ました。

そしてヨウ君は、レッスンが終わると必ず
「ピアノが益々好きになりました。」とも言ってくれました。

(何て良い子なの。。。

 

そんな感じで1年間を過ごしたのですが、
その間にヨウ君は、静かにピアノの実力を蓄え、
そして育んだのでしょう。

そして、「トルコ行進曲」で一気に花を咲かせのだと思います。

その陰では、ヨウ君自身の努力もありましたし、
お母様の見守りもありました。

 

それにしても、
子どもの可能性は、本当に無限

想像以上の展開と飛躍があるな~としみじみ思います。

 

 

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急激な成長にビックリした!!!

2022-06-24 | アスペルガー児 Y君

今日は、ヨウ君(高2・自閉症スペクトラム)のレッスンでした。

先週は、私の都合でレッスンはお休みでしたので、
2週間振りのレッスンでした。

 

「ヨウ君、宿題は トルコ行進曲でしたね。
頑張りましたか?」

「はい。僕なりに頑張りました。」

「じゃあ、聴かせてもらうわね。」

「ただ。。。楽譜を忘れました。」

「そう?  でも大丈夫。ここにも有るから。」

私がそう言うと、ヨウ君は

「先生、大丈夫です。僕、暗譜していますから。」
と言いました。

その言い方が、あまりにもキッパリとしていたので、
私は楽譜を取り出すのを止めて、
取りあえず、ヨウ君の演奏を聴こうと思いました。

 

そして、ヨウ君は弾き始めたのですが。。。

私は、ちょっとビックリしました。

ヨウ君が、調子よく インテンポで弾き出したからです。

聴きながら、
でも、弾いたとしても途中までだろうな~と思いました。

だって、この曲を課題にして、
2週間しか経っていないのだもの。。。

 

 

ところがヨウ君は、
結局4ページ全てを暗譜して、堂々と弾き切りました。

「ヨウ君、凄いね

「はい。ありがとうございます。」

「凄く練習したでしょ?」

「はい。毎日2時間練習しました。」

「それは凄いね。
まさか最後まで弾いて来るとは思わなかったよ。
素晴らしいです。
ヨウ君の頑張りに、感動しました。」

 

 

私は、本当に感動したのです。

ヨウ君は、5年生からピアノを始めたのですが、
中学3年生までは、練習にもムラがありました。

私自身も、繊細なヨウ君に対して
あまり厳しくならにように、
のんびりとした指導を心掛けていたのです。

なので、エリーゼの為には、
実に1年間もかけました。

(発表会の曲にしても良いな~という思惑もありました。)

以下は、約1年前のブログです。

https://blog.goo.ne.jp/soraminosorami/e/b56673f1b2b56028325d3aef7fbfdf58

 

ヨウ君は、♯や♭が沢山付いている楽譜は苦手なので、
4~8小節ずつ 一緒に譜読みをしました。

譜読みが出来上がったら、少しずつテンポを上げ、
そして、曲想を一緒に考え。。。

一歩一歩、ゆっくりと仕上げてきたのです。

 

どうやらその間に、ヨウ君は実力を付けたようで、
トルコ行進曲を、2週間で仕上げてきました。

しかも、譜読みから暗譜まで 全て自力で

こんな事は、本当に初めてのことです。

もの凄い進歩でした。

 

ただ、左手の間違いが数箇所、
そして、無理な指使いが数箇所、
テンポの揺れも少々あったので、
そこを指摘しました。

そして、

「ヨウ君、今日は感動したよ。どうもありがとう。
でも、もっと上の演奏を目指す為に、
この曲も もう少し掘り下げようね。
もう暫く頑張れる?」

「はい。僕も上の演奏を目指したいです

「じゃあ、一緒に頑張ろうね。」

「はい。」

 

なんて素敵

なんて嬉しい

ヨウ君のピアノに対する情熱と可能性を感じ、
ピアノ教師冥利に尽きるレッスンとなりました。

 

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お祖母ちゃんのピアノを孫が弾き、そして。。。

2022-06-22 | 音楽&ピアノ

法事があったので、九州へ行って来ました。

叔父と叔母の13回忌です。

 

法事は滞りなく終わり、
帰りに、従妹の家へ寄りました。

通されたリビングには、
ヤマハのアップライトが置いてありました。

 

「このピアノで、カホちゃんは練習したんだね。」

カホちゃんというのは従妹の長女で、
ピティナ等のコンクールに、何度も挑戦していたのを聞いていたからです。

そんなカホちゃんも、中学へ入った頃にピアノを辞め、
それ以来、ピアノには 滅多に触らないとのこと。

今は、東京の大学に進学して家を離れているので、
なおさらでしょう。

 

「うん、カホが小学生の頃は、
このピアノも大活躍だったんだけどね。
もう、売っちゃおうかな~と考えているのよ。」

「え~っ! それは勿体ないよ。
時々調律をして大切にしていたら、
カホちゃんの子供も弾けるもの。」

「そうなの?」

「うん、ピアノは、100年経っても大丈夫。
定期的な調律は必要だけどね。」

 

聞くところによると、
このピアノは、従妹の母親が使っていたものだそうです。

叔母(従妹の母)は、小学校の教師だったので、
家で練習する為に、購入したのでしょう。

およそ40年前のピアノは、今でも充分美しく、
昭和の製品らしく、立派なものでした。

 

お祖母ちゃんが使ったピアノを孫娘が弾き、

そして、その子供に引き継ぐ。。。

なんか、素敵だなぁ~と思ったのでした。

 

 

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レッスンに、今時のツールを使ってみた

2022-06-13 | ピアノ教室

ユウジ君(小5)は、
きちんと練習をしてくる真面目なお子さんですが、

毎回、課題を速く弾いてきます。

しかし、速く弾くと、
どうしても途中で突っかかってしまい、
結局、私に注意されてしまうのです。

 

「ゆっくり丁寧に練習した人だけが上手になるんだよ~」
と言うと

「わかっているけど、どうしても速く弾いてしまうんです。」
とのこと。

 

なので、ふと思い付いたのです。

私がお手本を演奏して
それを、スマホでユウジ君に録って貰い、
そして、お母様のLINEに送ってみよう

 

「先生は、お手本を丁寧に弾きました。
なので、ユウジ君も丁寧に練習してきてね。」

そう伝えて、1週間が経ちました。。。

 

 

さて、先日のレッスンの時。。。

ユウジ君の弾き方は、とても丁寧になっていました

 

「おおっユウジ君、1回も間違えずに弾けたね。
頑張って練習してくれたんだね。」

「はい。 時々、先生のお手本を聴いて、
ゆっくり丁寧に練習しました。」

「そうなんだね。
1回も間違えなかったし、
とても綺麗に弾けていてビックリしちゃったよ。
どうもありがとうね。」

私がそう言うと、ユウジ君は嬉しそうに頷きました。

 

時には、今時のツールを使ってみるのも効果があるな、と思いました。

 

 

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「エリーゼの為に」の次は「トルコ行進曲」そして その次は。。。

2022-06-08 | アスペルガー児 Y君

高校2年生のヨウ君(アスペルガー改め自閉症スペクトラム)。

去年から、『エリーゼの為に』に挑戦してきましたが、
完成が近づいてきたようです。

 

「ヨウ君、最近、本当に上手になりましたね。」

「ありがとうございます。」

「そろそろ、次の曲を決めたいのだけど、何か弾きたい曲はありますか?」

「はい。。。。。」

「何だろう?  正直に言ってね。」

「僕には無理かもしれないんですが。。。」

ヨウ君は、そう言って口籠もりました。

 

「弾きたい曲は、言ってもいいんだよ。」

「僕には無理かもしれないけど、
『トルコ行進曲』が弾きたいです。」

「ああ、そうなのね。素敵な曲だものね。
それに、『トルコ行進曲』が弾けたらかっこいいよね。」

「はい。」

「じゃあ、次は、『トルコ行進曲』にしましょう。」

「ほんとですか?」

「うん、ヨウ君なら、弾けると思うよ。」

私がそう言うと、
ヨウ君は心から嬉しそうに頷きました。

 

「他にも、何か弾きたい曲ってある?」

「『月光』とか、『ノクターン』も弾きたいです。」

「『月光』は、ベートーベンの綺麗な曲よね。
『ノクターン』は、ショパンの2番かしら?」

私は、初めのフレーズを少しだけ弾き、尋ねました。

 

「はい、そうです。その曲です。」

「じゃあ、『トルコ行進曲』の次は、
ベートーベンの『月光』を弾いて、
その次に、ショパンの『ノクターン』を練習しましょう。
その次は、ショパンの『雨だれ』なんかどうかしら?」

「いいんですか?」

「うん、大丈夫だよ。ただ。。。」

「ただ、何ですか?」

ヨウ君は、少し不安そうに聞いて来ました。

 

「練習する曲が決まったけど、
大学生になっても習いに来ないと、『雨だれ』まで行き着かないかも?」

私が笑いながらそう言うと、

「はい、習いに来ます。大学生になっても。」

「ほんと? 嬉しいなぁ。」

「はい。」

 

何て嬉しい  

そして、ヨウ君は、何て素直なんでしょう

私は感動して、ちょっと泣きそうになったのでした。

 

 

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