ららみ先生のピアノのおけいこ

自閉症でも、発達障がいでも、
両手でピアノが弾けるんです♪
ピアノが弾けるって、素晴らしい!

ヨウ君~最後のレッスン

2023-06-02 | アスペルガー児 Y君

5月の下旬の或る日、
ヨウ君の最後のレッスンを行いました。

早いもので、ヨウ君も高校3年生。

受験に向けて頑張る時期です。

なので5月を最後に、
ピアノのレッスンは卒業することになったのです。

 

さて最後の日。

「ヨウ君、今日は何を弾きますか?」と尋ねました。

というのは、高3になってからは、
今まで練習してきた曲ばかりをレッスンしてきたからです。

なので、その前の週は、
「トルコ行進曲」と「エリーゼの為に」をレッスンしました。

 

受験生であるヨウ君にとって、
新しい曲を譜読みすることはストレスでしょうが、

得意な曲を弾く事は、
勉強の合間の良い息抜きになるでしょう。

そう思って、その様な計画を立てたのでした。

 

 

さて、最後のレッスン。

「さて、今日は何の曲を弾きますか?」

と私は尋ねました。

「今日は、インベンションにします。」とヨウ君。

 

ヨウ君は、おもむろにインベンションを弾き始めました。

私は横に座り、静かに聴きました。

 

ヨウ君には、7年間も毎週会ってきたな~

そう思いながらヨウ君の弾くピアノを聴いていたら、
何の前触れも無く、涙が出て慌てました。

私が泣いてどうするの。。。

 

 

ヨウ君は、すぐに泣くお子さんでした。

「先生は、先週と違う事を言っています。」

「先生とお約束したのに、沢山練習できなくてごめんなさい。」

そんな理由で、ハラハラと涙を流すのです。

 

感受性が強い為、繊細で傷つきやすいヨウ君。

そんなヨウ君も、だんだんと成長し、
中2になった頃から涙を流さなくなりました。

一方的な会話しか出来なかったのに、
今では、会話のキャッチボールが出来る様になりました。

小学生の頃は、支援級に居たのに、
今は中堅の高校で、立派な成績を修めています。

本当に素晴らしい成長だと思います。

 

 

「ヨウ君はレッスンの時、
私の言うことを真剣に聞いてくれて、
そしてそれを真面目に守ってくれてありがとうね。」

私がそう言うと、

「こちらこそありがとうございます。
先生の言う事には共感することが多かったので、
真面目に聞いて実行しました。」

と答えてくれました。

「そんなふうに言ってくれてありがとうね。
こちらこそ、ヨウ君に指導できて有り難かったよ。」

 

小学5年生の4月から大学受験前まで、
ヨウ君の成長を傍で見させて頂き、

一緒に笑ったり、悩んだりした事は、
私にとっても本当に幸せな時間だったと思います。

御縁には心から感謝です。

 

そんなヨウ君に望むことは。。。

まずは志望大学に合格しますように

音楽が、ヨウ君の人生に、
彩りを加えてくれますように

そして、心豊かな人生を歩みますように

心から願う次第です。

 

 

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丁寧な演奏、丁寧な生活

2023-04-27 | アスペルガー児 Y君

首の痛みは未だ続いています。

中学の頃から、よく首を傷めてきたのですが、
今回の痛みは結構頑固です。

こんなことにも年齢を感じる今日この頃 (^ ^;)

 

さて、先日のヨウ君(高3)のレッスンの時のことです。

バッハのインベンションも仕上げの段階にきました。

ヨウ君は、インベンションが大好きで、
「僕、こんな曲が弾きたかったんです!」
と言う程です。

しかし、想像以上に難しかったらしく、
両手で弾けるようになるまでに、凄く時間がかかりました。

先週まではトリルのタイミングが掴めず、
かなり苦労をしていたようですが、

ようやく仕上がってきたようです。

 

一通り弾き終えたので、私はヨウ君に感想を言いました。

「ヨウ君、凄く丁寧に弾けましたね。」

「ありがとうございます。」

「丁寧に弾こうというヨウ君の気持ちが伝わってきましたよ。」

「そうですか。」

「何か心境の変化もあったのかしら?」

「そう言えば最近。。。
時間の使い方をきちんとしよう、と心掛けて生活しています。」

「それは、丁寧に生活しようとしているってことかな?」

「はい、そうです。」

「それは凄いね。
そんな心掛けが、ピアノの音にも影響しているんだね。」

「影響するんですね。」

「そう言えば。。。
ヨウ君が高校に合格してすぐ後のレッスンの時、
ヨウ君は自信に満ちた弾き方をしたよね。」

「はい、覚えています

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【凄い!受験後ビックリしたこと】

https://blog.goo.ne.jp/soraminosorami/d/20210203

 

 

「ヨウ君って、気持がすぐに演奏に表れるよね。」

「そうですね。やばいですね。」

「ほんと、やばいね~」

そんな事を語り合って、2人で笑いました。

心温まるひとときでした。

 

 

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先生のプライドと僕のプライド

2023-03-06 | アスペルガー児 Y君

先日のレッスンの時のことです。

ヨウ君(高2)が、
ピアノの上に積まれた楽譜やコピー用紙の束を見て
「これは何ですか?」と尋ねました。

「ああ、この楽譜はね。
もうすぐコンサートがあるから、その準備をしているの。」

「先生が弾くんですか?」

「そう。伴奏なんだけどね、70ページも弾かないといけないのよ。」

「え~っ  70ページも    それは凄いですね。」

「そうなの。だから今、頑張って練習しているっていうわけ。」

「70ページかぁ。。。」

「そう、大量なんだけどね、
70ページも弾けません、って言いたくないでしょ?」

「先生のプライドですか?」

「そうね。プライドかもね。
ヨウ君も得意の数学では、この問題解けません、って言いたくないでしょ?」

「確かに言いたくないです。」

「きっと、それがヨウ君のプライドね。」

「はい、そうだと思います。」

「そう考えると、プライドって大事だね。」

「はい、大事だと思います。」

 

こんな会話を交わしました。

コミュニケーションが苦手で、
すぐに涙が出ていたヨウ君と、
こんな会話を交わす日が来るとは

ヨウ君の成長を感じたひとこまでした。

 

 

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新春コンサートを開いてみたら

2023-01-20 | アスペルガー児 Y君

先週、ヨウ君(高2・自閉症スペクトラム)の、
今年になって初めてのレッスンがありました。

ヨウ君は、何時も通り穏やかな様子でレッスン室に入って来ました。

 

実はレッスンが始まる前に
ヨウ君のお母様からLINEが来て、

「今日、テツ(弟)は体調が悪いので、お休みします。
ヨウも疲れている様子なので、
程々の感じでレッスンをお願いします。」

と書いてありました。

 

ヨウ君は、一見穏やかそうでしたが、
新学期が始まり、緊張と疲れが溜まっているのかもしれません。

ヨウ君は、とても繊細なので、
新学期はいつも疲れてしまうのです。

なので私は、いつもと違うレッスンをしようと思いました。

 

「ヨウ君、今日は新年なので、
いつもと違うレッスンをしましょう。」

「えっ? どんなレッスンですか?」

「今日は、ヨウ君の新春コンサートにします。」

「えっ?僕の?」

「はい。得意な曲を、私の前で弾いてください。
私はお客さんになったつもりで鑑賞させて頂きますね。」

「はい。」

「それでは、何を弾きますか?」

「まず最初に、トルコ行進曲を弾きます。
次に、エリーゼのためにを弾きます。」

 

ヨウ君は、そう言って弾き始めました。

とても慣れた感じで、音楽を楽しみながら弾いているようでした。

家でも頻繁に弾いているのでしょう。

 

「ヨウ君、習ってから暫く経ったのに、上手に弾けましたね。」

「はい。何時も弾いているので。」

「やっぱり
とても弾き込んでいるな~と思ったし、
ヨウ君の気持が伝わってきましたよ。」

「ありがとうございます。」

ヨウ君は、とても嬉しそうでした。

 

その後は、疲れない程度に、ゆるいレッスンをしました。

そして結局、テツ君(弟)が休んだ分、
2枠分のレッスンをしてしまいました。

 

「ヨウ君、今日は疲れているのに、2枠もレッスンしちゃったね。
余計に疲れなかった? 大丈夫?」

「いいえ。 気が晴れました。」

「ほんと? そう言ってくれてありがとうね。
その言葉で、私も気が晴れたよ。」

私がそう言うと、ヨウ君はニッコリ笑ってくれました。

たまには、こんなレッスンも良いなと思いました。

 

 

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自らに癒やしを与える曲

2022-10-09 | アスペルガー児 Y君

最近、バッハのインベンション4番を練習しているヨウ君(高2・アスペルガー症候群)

2学期は、行事や模試が多いせいでしょうか、
最近は、少し練習量が減っているようです。

バッハのインベンションは左手が難しいので、
それも、理由の1つだと思われます。

 

バッハの音楽は大好き。

だけど、想像以上に左手が難しく、思ったように両手で弾けない。

そんな思いで、練習するのが気が重い。。。

こんな感じだと思います。

 

「ヨウ君、この曲は、左手が難しいですね。」

「はい、かなり難しいです。」

「弾く時に、少し根気がいるでしょう?」

「はい、根気がいります。」

「片手ずつ弾くと、そんなに難しくないけど、
両手で弾くと、もの凄く難しくなるものね。」

「そうですね。」

「そこが『トルコ行進』とは違うわね。」

「そうですね。
『トルコ行進曲』は左手が、如何にも伴奏って感じでした。」

「そういう意味では、『トルコ行進曲』は弾きやすかった?」

「はい、弾きやすかったです。」

「でもね、バッハの曲は、最初は弾きにくいのだけど、
弾ける様になると楽しくなるのよ。」

「そうだと思います。」

「そして、弾きながら、自らに癒やしを与える曲だなぁって、私は思うの。

 

私がそう言うと、ヨウ君は私の方を見て、

「僕も、そう思います

と大きな声で言ったのです。

 

いつも、小さな声で会話するヨウ君。

そんなヨウ君が、
真っ直ぐ私を見て、大きな声で答えた事に、私は感動しました。

 

「そう、ヨウ君もそう思う?」

「はい、そう思います。
僕、本当に この曲が好きなんです。」

「そうなのね。
そう言ってくれてありがとうね。」

 

バッハを通して、心が1つになったような気がして、

しみじみと嬉しいレッスンになりました。

 

 

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