先日は、Yちゃん(20代 小学校教諭)のレッスンでした。
Yちゃんは、少し改まった 紺色のワンピースを着ていて可愛かったのです。
「あれ? 今日はお洒落だね。」
「はい、今日は夏休み中の個人面談の日だったので。」
「それは疲れたでしょう。」
「はい、顔が疲れました。」
「顔が?」
「笑顔を意識して、ずっと口角を上げて喋っていたので。」
「あはは。それはお疲れ様でした。」
こんな会話の後、早速レッスンをしました。
Yちゃんは今、「お人形の夢と目ざめ」を練習しています。
この曲は、小学2年生の音楽の教科書に、鑑賞教材として載っているのです。
授業の時は、CDを聴かせたそうですが、先生が弾いたら格好良いですものね
Yちゃんは、大学1年の時からピアノを始めましたが、
大人の方には珍しく、脱力がキチンと出来ているので、何時も感心しています。
「お人形の夢と目ざめ」も上手に弾けているのですが、
Yちゃん曰く、弾いていると左手の小指が痛くなるのだそうです。
特に2ページ目の「Dolly's Dream」を弾く時は、左手が「超痛くなる」そうで
確かに2ページ目の左手は、小指でベースの音をキープしつつ
内声をスタッカートで弾くのですから、かなり難しいのです。
「何で、こんなに痛くなるのですか?」とYちゃん。
「う~ん、普段の生活の中で、左手の小指は1番使われない指だからかな?
運動不足の人が、少し歩いただけで筋肉痛になるのと同じかもね。」
「どうしたらいいですか?」
「小指をキープしつつ内声を弾くのは難しいから、
まず、そこの箇所を和音で練習したらどうかしら?」
そう言って、私はお手本を示しました。
ベースの音と内声を同時に弾くのは、おそらく簡単でしょうから、
何回か和音で弾いてみることは、手にポジションを覚えさせる為には有効だと思います。
また、ベースの音だけを拾って、単音で練習することも、小指の訓練のためには必要だと思います。
「色々と工夫して練習してみてね。」とYちゃんに伝えましたら
「はい。」と答えてくれました。
面談の後、疲れているのに、ピアノのレッスンに来てくれて、
Yちゃんありがとう。
そんな若い先生を見ていると、私も頑張らなくっちゃ
と思うのです。