ららみ先生のピアノのおけいこ

自閉症でも、発達障がいでも、
両手でピアノが弾けるんです♪
ピアノが弾けるって、素晴らしい!

Y君の涙・3

2016-11-30 | アスペルガー児 Y君

ヨウ君は、5年生の男の子です。

非常に感受性が強く、繊細な男の子なので(9月15日、11月11日の記事等)
私も言葉を選んでレッスンをするようにしています。

 

ところが先日のレッスンの時、
突然、ヨウ君の眼から涙が溢れそうになりました。

涙が流れそうになっている時に声をかけると、
余計に辛いだろうな~と思い、
私は、見て見ぬふりをしながらレッスンを続けていました。

でも、ヨウ君は涙を我慢が出来なくなったのか
「先生、トイレに行って来ます。」と言って、席を外しました。

 

ヨウ君は泣きたくなると、
いつもトイレで気持ちを落ち着かせてからレッスン室に戻るのです。

そのあたりが、5年生男子のプライドなのだと思います。
とてもいじらしいな~と思います。

 

ヨウ君がトイレで気持ちを落ち着かせている間、

私はレッスン中にかけた言葉を思い出し、
何がヨウ君を悲しくさせたのだろう?と考えました。

でも、思い出しても、考えても、私には思い当たることが無く、
途方にくれました。

 

すると、気持ちを落ち着かせた後、
トイレから戻ったヨウ君は、思いきったようなお顔で

「ららみ先生はいつも、優しい音を出そうね、と言っていますよね。」

と言うのです。

 

あ~そうか~

確かに私は、初心者の生徒さんにはいつも
「優しい音でピアノを弾いてね。  強い音は出さないでね。」
と指導しています。

初期の段階から、脱力を習得させる為です。

 

それが、先日のレッスンの時には
「ヨウ君、もう少し元気のよい音を出そうね。 
鍵盤の下まで、しっかり押してね。」

と指導したのです。

ヨウ君にとっては、それが青天の霹靂程にビックリしたのでしょう。

ようやく涙の意味がわかり、私はヨウ君に謝りました。     (続く)

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あっ!見られちゃった!

2016-11-29 | ピアノ教室

昨日は、Aちゃんのレッスンでした。

約束の時間の10分前にチャイムが鳴り、Aちゃんが、おばあちゃんと一緒に玄関に入って来たのと、
私が玄関に出たのが同時でした。

すると、Aちゃんが私の足許を見て「あっ!」と言いました。

私も、そのことに気が付いて「あっ!」と言いました。

「見られちゃった!」と私。   Aちゃんは、笑っています。

おばあちゃんが、「えっ?何?どうしたの?」と言いました。

私は、人差し指を口に当てて、Aちゃんに向かって「シー!」と言いました。

Aちゃんは、眼で「うん、わかった。 言わないよ。」と言ってくれました。

おばあちゃんが再び、「何?何?」と聞きました。

私は「秘密だよね~♪」とAちゃんに言いました。

 

実は、昨日私がはいていた靴下には、穴が開いていたのです (^^;)

レッスンの前に気が付いて、履き替えよう、と思った瞬間に、Aちゃんが入って来たので、
見られちゃった~!と云うわけでした。

あ~恥ずかしかった!!

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ロバート・キャンベル先生の講演会

2016-11-28 | 読書、文学など

昨日は、都内の大学まで、ロバート・キャンベル先生の講演会を聴きに行ってきました。

ニューヨーク出身のロバート・キャンベル先生は、テレビのコメンテーターとしてお馴染みですが、
実は、名高い国文学の先生で、今は、東京大学大学院の教授でいらっしゃいます。

専門は、江戸中期から明治にかけての日本文学で、文化、思想、芸術にも造詣が深く、
私は以前から先生のファンだったのです。

 

さて、昨日のテーマは“Popcorn on the Ginza”

戦後の銀座を、進駐軍の眼から見た随筆と、日本人が当時の銀座を描いた随筆を読み比べ、
その視線、心情の比較を講義してくださいました。

戦後の銀座を舞台にした小説は色々あるのですが、
アメリカ人から見た、当時の銀座を描いた随筆には、初めて触れました。

また、GHQによる言論統制が行われていて、日本の小説家のほとんどが、
その検閲に悩まされていた事など、興味深いお話を聞く事が出来ました。

その際に先生は、英文を朗読したり、日本語で書かれた文章を朗読してくださったのですが、
両方共、耳に心地良い、素晴らしい朗読でした。

キャンベル先生は、アメリカ人なのに、本当に日本語が流暢でした。
しかも、アメリカ人らしからぬ見事な発音で、鼻濁音まで完璧だったのには驚きました。

元々聡明な方だったのでしょうが、並々ならぬ努力があったのでしょう。

日本文学のみならず、漢詩や古文書にも造詣が深く、
しかも、変体仮名までスラスラとお読みになるので、敬服しながら拝聴しました。

さすが、東京大学で、秀才達に教えていらっしゃる教授だな~と、改めて思ったのでした。

今回のキャンベル先生の講義を踏まえた上で、
私ももう一度、戦後すぐにに書かれた文学を読んでみよう、と思いました。

なかなか興味深い講義を聴くことが出来、実りある1日になりました。

 

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花の生け方は、人となりが出ます

2016-11-26 | 日記

今日は、市内のギャラリーの「花と器展」に行って来ました。

華道の先生と、陶芸の先生とのコラボでしたが、非常に楽しめました。

まず、陶芸の先生の、オリジナリティー溢れた器が素晴らしかったです。

色といい模様といい、素人の私から見ても、高い芸術性を感じました。

陶芸は、焼く時の温度やタイミングによって、思いもしない仕上がりになると言いますが、
様々な工夫と偶然が重なっての素晴らしい器の数々に、圧倒されました。

また今日は、その器を使って、草月流の先生が、生け花のデモンストレーションをしてくださいました。
陶芸の先生の器に、お花の先生が、次々とお花を生けていくのです。

お花の先生は、器の後方から、その場でお花を水切りして生けるのですが、
そのデモンストレーションが素晴らしく、とても感動しました。

花器の色に合わせた花選びから、その構図に至るまで、お花の先生の感性の素晴らしさが伝わってきました。

また、後方から生けるにもかかわらず、前から見た構図がピタッと決まっていて、
それもまた驚いたことでした。

その先生が、お家元のご指導を受けられた時のお話をしてくださいました。

「お家元には、色々なご指導を受けましたが、様々な注意を受けるより、
“生け方は人となりが出ます!”と言われた時が、1番ドキッとしました。」

う~ん、確かにそうかも!
これは、全てのことに当てはまることだな~と、しみじみと思ったのでした。

今日は、美しい花と器を鑑賞出来て、芸術の秋に相応しい1日になりました。

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「ゆうぐれ」の色も、ピアノの音色も色々

2016-11-25 | ピアノ教室

今朝の空は、昨日の雪空から一変して、清々しく晴れて綺麗です。

そして、一昨日の夕方、車の中から見た空も本当に綺麗で、見惚れてしまいました。

秋から冬に移る夕暮れの、清楚な空色に、杏色や珊瑚色の雲が流れていて、
それが見惚れる程に美しく、何とも言えない幸福感を感じました。

9月2日の記事にも書きましたが、空の移ろいには、本当に心が癒やされます。

 

作曲家の湯山昭さんが、子どもの為に作曲された曲集の中に「ゆうぐれ」と云う曲があります。

子どもから少年に移る頃の、4年生か5年生の男の子にこの曲を弾かせると、
どの子も、とても気に入ってくれます。

この曲をレッスンする時には必ず、
「夕焼けの色を想像して弾いてね。 あなたは何色の空を想像して弾いているの?」
と聞いてみます。

ほとんどの子は「真っ赤な夕焼け。」と答えます。

「夕焼けは、真っ赤と思われがちだけど、実は色々な色が混ざっているのよ。
薄い色もあるし、最後は、だんだんと夕闇に紛れてしまうし。。。
そんな空の色も想像してみてね。」

そうすると、どの子も、自分なりに工夫した音色で弾いてくれます。

少~し控えめな音量で弾いたり、テンポを落としたり~
その子なりの工夫が見られて、とても興味深いのです。

空の色は無限にあります。

そして、ピアノの音色や表現方法も、無限にある、と私は思います。

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