すべてのみちはここに

もう追いかけないよ 
宝物は 
いつもここにある

事実(現象)から教わる

2016-10-03 | 陶芸
窯に作品詰めて、さーあとは焚くだけだーという日の夜

実家で、録画していた辰巳芳子さんのドキュメンタリーを観ていた。

その中で

庭で野菜を摘みながら

辰巳さんがこんなことを呟いた。





「みんなねぇ、、 ”教わる”って、”人から教わる”っておもってるけど

 人から教わるんじゃないの、

 事実から教わるの。

 現象から。」




出た、名言。



まさにそうだとおもった。



私はそれを畑で、窯焚きで、教わった。

どんなことでもそうだ。





自分の窯を持って8年ほど焚いていたけど
はじめは思うように温度が上げられずにいつも苦戦してた。
温度計のデジタルの数字に一喜一憂していた。
どうしていいかわからなくなった時は
窯作りの職人さんに電話して、
今こんな状況なんですがどうしたらいいでしょう?!って訊いたりしてた。




そんなあるとき
5年目か6年目か忘れたけど
さあこれから火を入れるぞという時に
温度計が壊れているの気付き
そのまま温度計なしで焚いた。



その窯焚きはそれまでで、いちばん
火をよく観て
音をよく聴き
匂いを嗅ぎ
そしていちばん順調に温度を上げることができた。



それまでは温度計の数字があると、どうしてもそちらに目がいってしまってた。
温度計がなくなって
もっともっとよくよく
目の前の現象を観るようになって
炎が教えてくれることに気付けるようになる。

どんな薪
どこに
どのくらい

窯と対話がはじまると
ほんとにおもしろい!






それからは
温度計なしで焚いている。



*********

温度を知るのにゼーゲル錐というものを使います。
三角錐状の用具で、それぞれ決まった温度になると倒れるようになっています。
私はいつも1200℃、1230℃、1250℃、1260℃ の4種類を使います。 

それと、炎の色、ローソク(窯の上部に小さな穴があいていて、そこからはみ出る火のこと)の色と形でも温度は推測できます。

あと、体感でも温度の変化に気づきます。

そして色見本を途中で窯から引き出して、それをみていろいろな判断をします。


*********





というわけで


今回も8年ぶりに温度計なしの窯焚きとなったのですが
参加者ほとんどが窯焚き ほぼ初めて。

一瞬、温度計あったほうがいいかなぁ?とおもったけど

「いや、初めてだからこそ、温度計はないほうがいい!」

という判断でやりました。



終わってみて・・・

たいへんだった!
ケド、
おもしろかった~~~~!!!


窯出しは明日なんですが。

今回の窯焚きのことを書きたかったけど
前置きで終わってしまった。。

次の日記で~