すべてのみちはここに

もう追いかけないよ 
宝物は 
いつもここにある

芽吹きの気配

2019-02-10 | 日記
2019年明けて
早くも1月がとうに過ぎ・・・


この10日ほどは風邪が長引いて引きこもり気味だったけど
やっと回復


気がつけば
お山でも
水仙の花が咲き
梅の花が咲き、、

まだ寒いけど、どことなく瑞々しい(みずみずしい)気配というか
空気の中に滴る(したたる)感じがあって
地上に芽吹きのエネルギーがみなぎってきている

春はもうすぐそこだ





今日、突然の訃報が届いた
十年来、マッサージをさせていただいていたTさんが亡くなられた

お通夜に行き
お別れをしてきた



約11年間、毎週病室に通った
TさんはALS(筋萎縮性側索硬化症)だった


はじめて病室に行ったときは
病棟内のあちこちから聞こえてくる人工呼吸器の音にビビった

なんかすごいとこ来ちゃったよ・・(@_@。っておもった
初対面で人工呼吸器で
話せない体も動かないおじさんをマッサージするって・・💦
めちゃくちゃ緊張した


声が出ないから、意思疎通は
はじめの頃はパソコンや
口パクを見て動きを読んだり(表情筋は動かせた)
50音表の文字を指して繋げていったり

病気の進行に合わせて変化していった




声を失ってから
障がい仕様のパソコン(右手の拳がかすかに動くので、グッと力を入れたときにピクッと動く腕の「筋」にセンサーを繋げて、選択・決定で入力できる)を覚えられ
はじめの頃はブログも書かれていたし
メールでやりとりもされていた


体の機能が少しづつ失われていくのには
段階があって
その変化の「時」というのがついに来たとき、
その時の
凄まじさ


入力がうまくできなくなったとき
とにかく来る日も来る日もずーーーーーっと
練習されてた

そしてとうとう
あるとき
練習が終わる

そんなとき
誰もそこには触れなかった
機械もそのまま
しばらくは使えるようにしてあった

そして静かに
その手段は終わり

しばらくすると
また別の手法(機械)を導入し
新しい方法を習得された

それも
また使えなくなる日がくるのだけど
その日がくるまでは
できることをいつも精一杯されてた



ふりかえってみたら
Tさんと過ごした時間は

Tさんのその時その時
いろんなとき

私のその時その時
いろんなとき

ふたりのいろんな時々で
響きあっていたのだろうか

いいトキばかりではなかった
不協和音のトキもあった

それはまるで鏡だな―って今は思う
ふたりが不協和音の時は
既に不協和音でいっぱいの私がいたもの
(その時は気付いてなかったけど。
すんごい頑張ってたけど。
頑張りの方向が間違ってたなーー 笑)



最後のころは
病状が進行して
苦しいに違いないはずだけど
表情は穏やかに
朗らかな日が多かった

表情筋の動きも鈍くなって口パクもほとんどわからなくなってたし
50音表の文字盤使ってのやりとりも
うまくできなくなってたけど
なぜか言わんとしてることがこちらもわかったりして
そんな時
「当たり!?すごくないですか私!?」とか言ったら
ホッホッホッって満面の笑みがこぼれた
声は出ないけど、今にもそう聞こえてきそうな笑顔だった




言葉ではあらわしようもないものを
たしかに
しっかり
頂いたんだなって思う






今日のお通夜でTさんの身内の方が話してくださったこと


10年くらい前
私がちょうどマッサージに行きはじめた時期のこと
Tさんの妹さんに、Tさんからメールがきたそうだ

「いままで僕は
なんともったいない生き方をしてきたことか
これからどんなことが起こるか 
ワクワクしている」



進行性の難病に侵され
肢体の自由がすべて失われ
声も失ったあとのTさんが、だ



その言葉を今日、聞けたこと
ほんとにほんとに
うれしいギフトだった

その言葉の発信源なるものが
この11年間のTさんの
生きざまの
底のほうから光輝いて
照らしてる気がした

ちょうど暗い海底にいて
波の陰から陽の光が挿すように
苦しみの底のほうから光が挿しているような

そんな感じ



大切なことは
けして見えない
表せない

ただ
それを
生きるのみ




Tさんに心からの
おつかれさま を




ありがとうございました











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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ケロシ)
2019-02-11 12:30:01
いい話をありがとうございます。
豊かであることに気づけば幸せしかないですね。
返信する
Unknown (egri)
2019-02-12 16:52:15
読んでいただきありがとうございます

本当そうですね。
どんなときも、自分しだい。
11年かけて、教えてもらったことを
今度は私自身が生きようと思います。
返信する

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