旅好きな人は誰もが知る「青春18きっぷ」は旧国鉄時代の1982年(昭和57年)に学生向け商品として発売されました。
しかし、当初から利用者の年齢制限はなく、最近では中高年の需要が増加しているようです。
2019年8月現在「青春18きっぷ」の価格は11,850円で、全国JR普通列車と快速列車の一日乗り放題5回分がワンセットで、使用期間内であれば、複数の日に一人で5回使うことも、5人で一緒に利用することもできます。
実際の利用状況をネット検索して驚きました。
「青春18きっぷ研究所」という「青春18きっぷ」がテーマのホームページがあって、<これまた驚き!> そこに以下のようなデータが紹介されていました。
2012年度 65万枚
2013年度 67万枚
2014年度 69万枚
2015年度 71万枚
2016年度 73万枚
ワンセット11,850円ですから、2016年度にJRが得た販売額は86億5千万円となります。
この金額は筆者の予想をはるかに超えていました。
2019年度の日本の大学入学者数が60万人ですから、それを上回る数の人達が「青春18きっぷ」を利用していることになります。
筆者も大の旅行好きで、以前からそんな「青春18きっぷ」を使って旅をしたいと、PCで何度もシミュレートを楽しんできました。
そしてとうとう、「青春18きっぷ」を使って北海道を往復してきましたので、その様子をご紹介しようと思います。
先々週の土曜日、自宅付近の駅からJRを乗り継ぎ、上野発5時13分の高崎行き普通電車で、北海道への旅が始まりました。
初日の目的地は青森で、到着予定は17時間後の22時13分です。
青森から夜中のフェリーで函館へ渡り、始発電車で旭川へ向かいます。
はたして、無事に到着できるでしょうか?
高崎行の電車は予定通りに上野駅を発車しました。
こんなに早い時間でも、席はほぼ埋まり、立姿の乗客も見えます。
車窓に流れる景色を眺め続けました。
数十年ほど前、転勤生活で新潟に暮らしたことがあります。
会議の為、月に一度は新幹線で新潟東京間を日帰りしましたが、在来線の高崎線に乗るのは今回が初めてです。
今回の旅を決意した理由の一つに、東京新潟間を普通列車で旅するスケジュールだったことがあります。
数十年前のあの頃、新潟東京間を新幹線で走り過ぎるだけでなく、いつの日か、谷川岳や越後三山をのんびり眺めて旅してみたいと、あの頃はそんな時間を手にする日々を夢見ていました。
電車が上野駅のホームを離れて30分程、車窓に民家やビルが軒を並べる景色が続きましたが、埼玉県の上尾辺りから、少しずつ緑の景色が目に飛び込むようになってきました。
一時間程経って熊谷を過ぎると、電車は何時の間にか、緑広がる畑の中を、快適な走行音を立てながら目的地へひた走っていました。
日々の都会の暮らしの中で、めったに目にしない景色に、心が徐々にほぐれてゆきます。
電車は倉賀野という駅に停車しました。
こんな何気ない駅名が心に残るのも、日々の暮らしの柵みから解き放たれたからに違いありません。
旅に出るといつも、自分とは異なる誰かが、景色を眺めるような不思議な気分に包まれますが、この日も私は完全な旅人になりきっていました。
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