やがて前方にまねき岩が見えてきました。
樹林帯を抜けると、登山道の両側は背の低い木々だけとなりました。
この標高まで登ってくると、冬の厳しい気象で高木は育ちきれないのです。
花を終えたマルバシモツケとチシマヒョウタンボクを目にしました。
このような低灌木は冬になると雪の下に埋もれ、厳しい寒さから守られるのです。
数十年前の厳冬期にこの斜面を登った時は、まねき岩以外は何も見えない光と影だけの雪の斜面が茫々と広がっていました。
マルバシモツケ チシマヒョウタンボク
ウコンウツギの実がひょうきんな姿で出迎えてくれました。
昔は樹木にそれほど興味がたなかったので、ウコンウツギがこのような実を付けることを最近になって知りました。
ウコンウツギの実
エゾニュウが赤い茎を伸ばしていました。
エゾニュウは、秋田辺りでは「ニョウサク」と呼び、山菜として利用しているようです。
アイヌも、シウキナ「シウ(苦い)キナ(クサ)」と呼んで生食したそうです。
エゾニュウの花と葉
オニシモツケやオオヨモギを見かけました。
この時期に登山するのは数年ぶりかもしれません。
オニシモツケを久しぶりに見た気がします。
オオヨモギは高山植物というわけではないのですが、この場所で見るとそれらしく見えるから不思議です。(平地のオオヨモギ)
オニシモツケ オオヨモギ
植物を観ながら、まねき岩とほぼ同じ高さまで登ってきました。
チシマギキョウやハイオトギリの花が出迎えてくれました。
この辺りに来ると、高山植物の雰囲気を漂わせた花が多くなります。
チシマギキョウ ハイオトギリ
チシマアザミも、リフト降り場付近と違い、気品漂う姿に見えるのは、気のせいでしょうか。
チシマアザミ
そして登山道にハイマツが現れ、
その先を曲がれば、黒岳頂上へのワンステップを残すのみです。
下界で見るのとは異なる色に染まるブルーの空と、その空に浮かぶ雲が微笑んでいました。
「青春18きっぷ」花の旅 北海道 indexをご利用下さい。
全ての「花の旅」はこちら → 「花の旅」 総合目次
筆者のホームページ 「PAPYRUS」