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稲垣浩版「忠臣蔵:花の巻・雪の巻」

2005年12月18日 | ★ぐっとくる時代劇
12月といえば討ち入り・・ってことで
今年もまた恒例の忠臣蔵鑑賞。62年作稲垣浩監督版。

やっぱり気になるのはキャストだが
大石は、はまり役松本幸四郎。
54年版も素晴らしかったけど、
ここでも余裕の芝居。
もはや十八番っていう感じでしょうか。

その息子市川染五郎(現幸四郎)も
矢頭右衛門七役で出演していて、親子共演。
こうしてみると現染五郎より親爺殿の方が野性味がある風貌。

大石の妻りくに原節子、
浅野の殿様が、青い加山雄三、
その妻瑶泉院にクールビューティ司葉子、
吉良上野介は憎らしい度120%市川中車、
千坂兵部にベテラン志村喬、
堀部安兵衛 男臭い三橋達也、
俵星玄蕃に豪快三船敏郎 ・・とまだまだ続きますが
書いているときりが無いのでやめます。

要するに豪華キャスト。

渋いところでは吉良側の一番の使い手、
清水一角役の戸上城太郎が期待どおり
気合の入った殺陣を見せてくれる。
同じ稲垣監督の「柳生武芸帳」で柳生十兵衛役をやっていた。

畳み換えのエピソードなど
吉良のいじめを強調。
加山がキレて
松の廊下にて刃傷にいたるまでの過程を丁寧に描いている。

ポイントを押さえたオーソドックスなつくりで
絢爛たる美術や衣裳も目福。

「忠臣蔵」のように誰でも筋書きを知っていて
「型」が決まっているような
スタンダードな作品では、
お馴染みの場面を
どのように演出、料理するかが監督の腕の見せ所。

人物描写が細やか。
取澄ました上野介の妻(沢村貞子)が
吝嗇な夫にうんざりする様子など、
ちらちらユーモアが効いた演出が楽しい。

こってりとした色調もまた元禄気分を盛り上げている。

1962年 稲垣浩監督作品  脚本 八住利雄 撮影 山田一夫
音楽 伊福部昭 美術監督 伊藤憙朔

■「忠臣蔵」色々

■1954年大曽根辰夫版大石:松本幸四郎

■1956年渡辺邦男版大石:長谷川一夫

■1994年 市川崑版・「四十七人の刺客」大石:高倉健

■1994年深作欣司版「忠臣蔵外伝・四谷怪談」大石:津川雅彦

■1960年 「サラリーマン忠臣蔵」大石専務:森繁久弥


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