『ピンポーン…』
「〇〇ピザです!ご注文の品をお届けに来ました!」
「お、来た来た!」
俺はインターホンから聴こえるピザ屋の声を聴き、隣に置いてある金庫から財布を取り出し玄関を開けてピザを受け取った。
ピザを食うのは何年ぶりだろうか?
久々に食べたピザの味は格別だった。
絡み合う生地とチーズとケチャップのハーモニーに包まれ、至福の一時を過ごした俺はソファで横になり、バラエティ番組を見ていた。
最近の番組はあまり面白くないものばかりだ。
「仕方無い…寝るか」
暇になったので、寝床に付こうかと思ったその時だった。
『ピンポーン…』
インターホンから声が聴こえた。
?こんな時間に誰だ…
そう。時刻はとっくに深夜の一時を回っていた。
インターホンのカメラから外を確認する。
…が、見えたのは真っ赤な画面だけ。
カメラの調子が悪いのだろうか?
「何だよこれ…」
げんなりしながらドアを開けて、カメラを確認すると…
ケチャップがべっとりと付着していた。
「あのピザ屋…」
怖がった俺がバカだった。てっきり目が赤い女が至近距離でカメラを凝視していたのかと…
あれこれ考えていると、横からいきなり…
『バリン!』
変な音がした。驚いて振り返っても…
夜中の一時を回っているんだ。誰もいるはずがない。
まぁ…いいか。俺はドアノブに手を掛け、ドアを引いた。