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今月の表紙は、海明けとともスタートした北見管内の毛ガニ漁。漁獲、価格が好調で、被写体となった沙留漁協では、丁寧な処置が流通の評価につながり「海明け一番がに」のブランドで大手スーパーの北海道企画のメイン商材として活用されている。
さて、貿易自由化を飛躍的に進化するTPP交渉は、日米二国間協議が成立の焦点となっており、断続的な交渉が続いている。日米の大筋合意が近いとの流れが一層強まる中で、全漁連は水産物への影響を改めて4,600億円とする試算を発表した。
その根拠が、交渉妥結により関税率がゼロになり、なおかつ牛肉・豚肉の関税が20%下がった場合のシミュレーションで、日本漁業の年間生産額1兆4,000億円の約3分の1に相当するというもの。これ以前にTPP交渉に日本が参加した時点で、水産庁は関税の即時撤廃による水産物への影響を2,500億円としていた。全漁連は消費市場における魚と魚の置き換えが大幅に進むと予想し、2,100億円を影響額に上乗せした。
残念ながら全漁連の試算に対する反響は少なかった。水産ジャーナリズムは別として一般マスコミではほとんど黙殺されたようだ。実は水産物の貿易自由化の意味については、国民への適確な情報提供が不足していることが改めて印象づけられる結果となった。
絶好調が続いてきたホタテ漁業に大きな暗雲が垂れ込めてきた。北海道新聞がGW中の5月2日朝刊で「オホーツク沿岸 冬の大しけ ホタテ直撃」という記事を1面で大きく報じたからだ。昨年から今年にかけての低気圧に伴う大しけで、オホーツク海域のホタテ漁場に被害が出て、水揚げ計画が当初に比べ2割~5割も減少するという。センセーショナルな写真と記事で「ホタテバブル」にショックを与えた。
関係者に聞くと、ホタテ漁場の被害は現在調査中の漁協も多く、道漁連や道庁の聞き取りも5月いっぱいでまとまる見込み。かつて平成16年の低気圧被害も回復に3年かかった経緯を考えると、減産が数年続くとの予想も出ている。
5月号の主要記事では、系統団体の26年度概況と27年度計画、宗谷・留萌管内の漁協販売取扱高、水産基盤整備など公共事業の動向、旭川での漁協合同即売会、期待されるマサバの資源・流通事情、毛ガニかご漁漁獲状況など、面白い読み物満載、お勧めです。
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