水産北海道ブログ

北の漁業と漁協がわかる情報満載です

羅臼コンブ(養殖)と釧路管内成コンブ(2回目)が妥結

2015-10-14 16:06:43 | ニュース

羅臼コンブ(元揃養殖)の共同値決は9日に妥結。天然同様、昨年末に道東地区を襲った爆弾低気圧の影響で数量がまとまらなかったことから、ほぼ全ての銘柄等級で前年度価格を10%以上上回った。上場数量は35トン。今年度の10kgあたりの価格は下記のとおり。

元揃走 1等=34,400円(前年比113.2%)

元揃走 2等=29,600円(前年比113.8%)

元揃走 3等=27,200円(前年比113.3%)

元揃走 4等=22,200円(前年比113.3%)

元揃走白1等=25,600円(前年比115.3%)

元揃走白2等=23,300円(前年比115.1%)

元揃走白3等=22,100円(前年比115.1%)

元揃  5等=21,200円(前年比113.4%)

  傷 1等=26,000円(前年比113.0%)

  傷 2等=21,700円(前年比113.0%)

 

釧路管内成コンブ2回目(なが長切・厚葉長切)は14日に妥結した。特長・特厚ともにほぼ前年と同水準。加工用は前年比約1割の安となっている。上場数量は247トンで決済日は11月10日。銘柄等級別の1価格(10kg)は下記のとおり。(秋採は夏採の90%掛、拾は夏採の85%掛)

特長葉1等=13,000円(前年比97.0%)   特 厚1等=15,000円(前年同)

   2等=11,500円(前年比96.6%)   (厚岸・散布・浜中)

   3等=11,100円(前年比96.5%)   特 厚1等=14,800円(前年同)

   4等=10,100円(前年比96.2%)   (釧路市東部・昆布森)

特長元1等=12,500円(前年比96.9%)   特 厚2等=12,800円(前年同)

   2等=11,200円(前年比96.6%)   特 厚3等=11,500円(前年比98.3%)

   3等=10,600円(前年比96.4%)   特 厚4等=10,600円(前年比98.1%)

  花3等=10,600円(前年比96.4%)   特厚花3等=11,500円(前年比98.3%)

加工用1等=  8,600円(前年比90.5%)   特厚頭1等=10,800円(前年同)

   2等=  6,020円(前年比90.5%)   特厚頭2等=  7,560円(前年同)

   3等=  1,720円(前年比90.5%)

 頭 1等=10,100円(前年比96.2%)

   2等=  7,070円(前年比96.1%)


11月17日 北日本漁業経済学会が釧路でシンポ 川崎道漁連会長が沿岸漁業の方向性語る

2015-10-14 11:43:12 | お知らせ

 北日本漁業経済学会(二平章会長)の第44回釧路大会が11月17、18の両日、釧路市観光国際交流センター(釧路市幸町3丁目、釧路駅から徒歩15分)で開かれ、ミニシンポや大会シンポジウム、一般報告、総会などを行う。

 17日は午前9時30分から高柳志朗釧路水試場長をコーディネーターにミニシンポを開き「道東経済へ影響をおよぼす主要水産資源の動向」として増総研の研究員がサケ、サンマ、スケソウ、イワシ・サバ、毛ガニ、その他の資源についてレビューし、地域経済への影響が大きい魚種の変化の行方を探る。

 午後1時からは、「国際情勢下における道東漁業の現状と政策課題」をテーマに道東の地域漁業の現状と政策的課題、将来展望、主要魚種であるサンマ、スケソウの国際動向などの話題提供を受け、総合討論を交わす。宮澤晴彦氏(北大)をコーディネーターに寺井稔道水産林務部技監が「道東漁業の概要と新たな資源利用」、川崎一好道漁連会長が「道東地域における沿岸漁業再構築の課題と展望」を語り、全さんまの大石浩平専務がサンマ、道機船連の原口聖二常務がスケソウをめぐる国際的な動向とその影響を報告する。18日は午前9時から同センターで一般報告を受ける。

 

前回、青森大会の会場風景


10月号の表紙は、秋サケ漁本番を迎えた知床半島(ウトロ漁港・羅臼漁港)です(写真・文 鈴木記者)

2015-10-14 11:34:33 | 月刊水産北海道

 日本最大の秋サケ生産地である知床半島では秋の定置網漁が本格化している。斜里前浜は9月6日、オシンコシン以東は7日に陸網が入った北見管内側は、潮の影響で一部沖網が入れられず数量が伸びなかったが17日、ウトロ漁港に350トンが水揚げされ浜は活気づいた。同日1万4千尾が揚がった羅臼では、翌18日に29隻で5万4千尾を漁獲。盛漁期の到来を告げる水揚げとなった。

 


月刊『水産北海道』10月号が出ました。TPP交渉大筋合意、急がれる対応策

2015-10-14 11:32:06 | 月刊水産北海道

 北海道の漁業は、秋サケ、コンブ、ホタテ、サンマ、イカと快調に盛漁期を向けていると言いたいところですが、そうはいかないのが実情だ。数量減少、価格上昇がずっと続き、主要な魚種は今年もことごとくが大漁、豊漁感がない。

 生産者団体の幹部は「このところ、北海道の漁業生産量(1~12月)は毎年減っており、27年度は100万トンを切る水準に落ち込む可能性もある」と心配しています。10年ほど前には150~160万トンだった水準が大台を割る危険性も出ています。

 そのため、資源管理が漁業政策のキーワードとして大きな位置を占める。そんな折、いよいよTPP(環太平洋経済連携協定)が10月5日、米国南部のアトランタで大筋合意され、大々的に報道されましたが、その内容は必ずしも明らかではなく、地方における情報不足は今も深刻です。

 秘密の部分が多く、今後何がでてくるか、ちょっとわからない状況です。例えば、自民党の会議では農産物の果樹類が自由化の対象になっていることが報告され、議員から「そんな話聞いていない」といった声も上がったそうです。

 水産物の関税率は品目によって即時撤廃から年数を経た段階的な削減など多様で、対象国によっても異なることから、単純に影響額を算定するのは難しい状況です。そうした中でも全閣僚が参加した政府のTPP対策本部で基本方針が出され、体質強化対策、重要五品目対策などを「政府全体で責任を持って対応する」ことが確認されています。

 体質強化の項目として上がっている担い手育成・確保、持続可能な収益性の高い操業体制の転換などを強力に推進してもらいたいものです。

 具体的な影響や対策は11月号に取り上げことになります。その頃には、秋サケ、サンマなどの漁模様も大勢が判明していると思います。