水産北海道ブログ

北の漁業と漁協がわかる情報満載です

エゾバフンウニ漁解禁・盛漁期直前の礼文島(7月号表紙)

2015-07-16 12:55:17 | 月刊水産北海道



 礼文島のエゾバフンウニ漁は、香深が6月8日、船泊が同11日にそれぞれ初水揚げを記録。初日は剥き身換算で香深687㎏、船泊が約1,100㎏と上々のスタートとなった。船泊漁協では各漁家が選別機を導入し、ホッケやメバルなどを大きさごとに分けたうえで出荷。できるだけ人の手をかけずに早期出荷することで鮮度保持効果を高めている。同漁協直営食堂「あとい」の三色丼は絶品。



月刊『水産北海道』7月号が出ました。波乱の2015年が一挙に吹き出しました。

2015-07-16 12:52:34 | 月刊水産北海道

 5月~7月は道東地域の主力漁業である北洋サケ・マス漁が日本200海里、ロシア200海里の双方で始まり、盛漁期となる時期ですが、今年は日本200海里が極端な不漁、ロシア200海里は政府間交渉が難航し、1ヶ月遅れで小型船のみの出漁となりました。それよりも何よりもロシア議会で提案されていた流し網禁止法案が上院下院で可決し、6月29日ついにプーチン大統領が署名し、来年1月から発効することになり、北洋サケ・マス漁の歴史的終焉を迎えるといったショッキングな事態に直面しています。
 春に北洋で獲れるサケ・マスは「春鮭鱒」とも言われ、ベニザケ、トキサケ、カラフトマスが御三家。特に塩蔵された塩ベニザケは「本チャンベニ」と呼ばれ、色、脂とも絶品で、国内サケ・マス市場で最上位にランクされていました。今回の北洋サケ・マス漁の終焉というのは、具体的にはベニザケが「もう獲れない」「食べられない」という意味です。
 世界が200海里規制に突入して以来、サケ・マスは「母川国主義」と言って、魚群がそ上し、産卵する河川を持つ国が資源管理の一義的な責任と権利を負うことが定着しており、日本はいわゆるロシア系サケ・マスを沖獲りする代わりに協力費として自国200海里操業、ロシア200海里操業の双方で多額のお金を支払っています。北洋サケ・マス流し網漁は、歴史ある伝統漁業でもあり、それが今回、ロシアは最終的に「お金」の方を選ぶだろうという雰囲気をつくってしまい「後手」に回ったのもしれません。
 ロシア国内では流し網を操業するサハリン州の漁業者と定置網を操業するカムチャッカ州の漁業者による利害対立が表面化し、多数を占めるカムチャッカ側の「流し網は魚にとって死の壁」「資源を枯渇させる野蛮漁業」といったキャンペーンが浸透したようです。プーチン大統領の側近で今回の禁止法案を可決させた上院議長は「外国漁船に対する排除を目的としたものではない」と語っていますが、結局は日本漁船の流し網も全面禁止となる模様です。
 流し網禁止は、根室市を中心とした道東の地域経済に大きな影響を及ぼし、漁業者をはじめ水産加工業など多くの関連産業にダメージとなります。道は14年ぶりに「北洋漁業対策本部」を開き、影響額と対応策を8月中にまとめる方針です。政府も事態を重く見て農林水産大臣政務官と水産庁長官を現地に派遣し、関係者と意見交換するなど、対策に本腰を入れる姿勢を強く示しています。
 2015年の北海道漁業は、この問題以外にもオホーツクのホタテ低気圧被害やTPP交渉の大筋合意など内外に不安定要素を抱え、試練の年となりそうです。一方、秋サケが4年ぶりに4,000万尾を超えた一昨年並みの来遊が予想され、コンブも1万8,000トン近くと昨年並みが期待されます。ホタテ自体は、上海市場の株乱高下前の6月までは中国向け輸出が絶好調で、国内減産により価格はさらに上昇を続けています。
 7月号は節目でもあり、漁業の方向性を定める全道漁協組合長会議をはじめ漁協系統・水産団体の総会、新しい政策・予算の実現を求めた道・道議会、中央省庁・議員への要請活動なども掲載しています。
 表紙は礼文島の「エゾバフンウニ漁」の模様です。夏は観光シーズンであり、沿岸漁業の稼ぎ時。活発な漁を期待したいものです。


2015年7月14日発行/北海道漁協系統通信6095号

2015-07-14 16:37:15 | 系統通信
佐藤政務官・本川長官が来道し意見交換
地域や漁業者のためになる対策に最大限の努力を
サケ・マス流し網禁止で代替漁業、原料不足の声

道漁港漁場協会が本道選出国会議員らに要請
小規模漁港の地域特性に応じた整備体制強化などを要望

道議会予算特別委員会で笠井議員の質問に答える
シシャモ資源増大に行政・水試・団体による対策会議

えりも地域ゼニガタアザラシ管理計画
春定置で被害防除改良網の試行、学術捕獲を実施

道漁連と普及協議会が新千歳空港で「春鮭鱒 大試食会」
天然の時鮭(トキ)・紅鮭(ベニ)・鱒(マス)の美味しさPR

23日、道機船連が平成27年度全員協議会

8月4日、札幌水産ビルで水産研究本部成果発表会

2015年7月10日発行/北海道漁協系統通信6094号

2015-07-13 06:56:37 | 系統通信
秋サケ来遊予想 前年実績比15%増の4,029万尾 
5年魚少なく、4年魚主体―道総研さけます・内水面水試

道が14年ぶり「北洋漁業対策本部」
ロシア水域サケ・マス流し網禁止の対策検討

第18回北海道昆布事業協同組合通常総会
新理事長にヤマトタカハシ(株)の北村裕会長が就任

道さけ・ます増協が来年度予算に向け中央要請
日本海の減少要因、放流手法改良・施設整備の増額を

平成27年度海難防止・水難救済センター全道大会
総合優勝は猿払救難所 2位香深、3位仙方志・鴛泊 

「見よう!知ろう!食べよう!こどもおさかな教室」
小学生にイカの生態・漁業、捌き方・調理法教える

中央水試が施設内を一般公開

2015-07-12 17:37:10 | ニュース
道総研中央水産試験場は12日、毎年恒例の一般公開を開催。地元の小学生や家族連れなど多くの人が会場を訪れ、年に一度のイベントを楽しみました。

場内にはコンブなどの海藻を切り貼りしてひとつの絵を作りあげる「海藻でお絵かきしよう」、濃度の異なる塩水を使って塩別躍層を作る「海の実験室」の他、水槽内のウニや貝などに直接触れることのできる「さわって学べる水族館」など、子供から大人まで楽しむことができる数々のアトラクションが多数用意されました。また普段は立ち入ることができない実験施設などを見ることができる「水産試験場内探検ツアー」が計5回行われ、職員・研究院の案内のもと参加者は、たくさんの飼育水槽が設置された養殖技術開発室や、水産工学実験室内の波浪環境シミュレーション水槽などを見学しました。


午後1時からは恒例となった人気イベント「地曳き網体験」が行われ、約80名の小学生・幼児らが力一杯網を引き揚げました。

引き揚げられた魚が試験場内の中央水路に解き放たれると子供らは、歓声をあげながらプール内を駆け回っていました。