息子はよく歩く。
歩くのが好きというよりは道が好きなのだ、たぶん。
ひとりで出掛けた帰り道には途中下車して歩いて帰ってくることも多い。
王子駅にある高校の学習センターの帰りには京浜東北線のいくつかの駅から、
4月から始めた渋谷でのバイトの帰りにはJR埼京線のいくつかの駅から
歩いて帰ってくる。
ひとりで歩きながら考えを整理することもあるだろうし
境界や標識や住所を確認しながら喜びを感じることもあるだろうし
地図で見た道の風景を知りたいのかもしれないし
いざとなったら歩けるんだ、ということを確認して安心もしているだろうし
体力をつけたくてしているのかもしれないし
何かしらの自分の力を試しているのかもしれない。
そういえば、
小学校に入ってしばらくは先生か保護者つきの集団下校だったんだけど
その期間が終了した次の日、息子は帰ってこなかった。
あわてて探しに出たし、学校にも連絡を入れて探して貰ったし
近所の友達にも事情を話して探すのを手伝って貰った。
結局、
「ランドセルを背負った見慣れない1年生が、うちの近くをウロウロしていたから
遊びながら引き留めて、保護しています」
と、親切な方から学校に電話があり、教頭先生に無事引き渡された。
息子はこの知らない道がどこにつながるのか自分で確かめたかったと言った。
昨日のバイトの帰りは、
渋谷にあるゼウス(息子の祖父で私の義父)の会社の前まで行ったという。
散歩がてら場所を確認してきたらしい。
そして、埼京線の中浦和駅から歩いて帰って来た。
そういえば火曜日には武蔵浦和駅から歩いて帰ってきたと言っていた。
疲れるだろうに、と思うけど案外リフレッシュになるのかな。
私の左足ふくらはぎの肉離れを機に 息子は自転車を買ったから
歩くだけじゃなく、もしかしたら自転車も趣味に加わるかもしれない。
そのうち琵琶湖一周、とか言い出したりして。