息子は小さい頃、応答はオウム返しが多く
問いかけに対して 関係のないような言葉ばかりを返してくることがあって心配した。
幼稚園に入ってからも
「おなかがすいたね」と言うと
「電車 ガタンガタン」
と返ってきたりするので
「京浜東北線、出発しまーす」
と会話を合わせに行くのだけれど
「・・・・・」
と息子は黙り、交流が途切れてしまう。
私は2人の間に繋がりを生み出そうとして、いつの間にかひとりでしゃべってしまう。
今思えば
あれはあれで私の言葉に応答してたのだろうに当時の私は気づかなかった。
つくづくもったいなかったなぁ。
ま、いいや。
今は楽しいんだから。
そんな息子がある日突然びっくりするようなことを言ったのだ。
「かーちゃんかわいい。かーちゃんのまるいスカートかわいい。
大きくなったらぼくはかーちゃんに キラキラしたものをいっぱいあげる。」
その時頭の中で「キラキラ」という言葉が
眩しい太陽光とキラキラ光るダイヤモンドダストのような映像と結びついて
私を包みましてね。
いや、・・・・よく考えれば ・・・違うかも。
ダイヤモンドダストは後付けだったかもしれない。
あの時はただただ嬉しかっただけかもしれない。
でも息子の言葉を後から思い出すたびに私は幸せな気持ちになり、
「キラキラ」という言葉から想像する色々なものやイメージをこの時の言葉にくっつけて
今でもどんどん成長させてしまっているのかもしれない。
もしかしたら記憶をより幸せなものになるように(都合よく!)作り続けているのかもなぁ。
ビー玉見ても
空中の塵を見ても幸せな気持ちになるように。
「あの時君はこう言ったんだよ。母さんたまらなく嬉しかったよ」
と、折に付け息子に話しているのだけれど
昨日はちょっと冗談で
「あのキラキラの約束はまだ果たしてもらってないね」
と言ってみた。
息子は淡々と言葉を返してきた。
「母ちゃんは・・ギラギラしてきたと思う。」
う、うまい!
うまい返しだ!
息子は成長している。
素晴らしいですね。
息子さんの言葉が育つ前の心の動きが現れているようで感動します。
やがて感動的な「かーちゃんかわいい・・」が生まれるのですから子供の感性ってすごいです。
「大きくなったらぼくはかーちゃんに キラキラしたものをいっぱいあげる」
は生涯の宝物です。
どんなダイヤモンドよりもキラキラして素晴らしい!
それをしっかり記憶して感動する母の心もキラキラして素敵です。
最後のオチがまたやってくれますね。
息子君、やりますね。
この言葉も私のキラキラになりました。
こういう発達の順番、準備、みたいな視点はこれから先の私にもとても大切なことでした。
この言葉のおかげで私もきっと成長します。
ろこさん、ありがとう。