やまじゅん通信 “きょうのヤマ場”

日本共産党前神戸市会議員 山本じゅんじ WEB通信

市営住宅マネジメント計画とニュータウン対策のあり方

2020-12-20 | 日記・エッセイ・コラム


 市営住宅のマネジメント計画案の問題で、朝から市営住宅を訪問。
話になったところでは、これホンマなん?と口を揃えたように聞かれました。
議員団でつくったビラをあらためて示して、約47000戸ある住宅を40000万戸程度に削減としているので、単純に考えてもおよそ7000戸の削減。
「ここで死ぬまで暮らすつもりやったのに」とか「そう簡単にかわれるわけないやんか。移るっていっても生活圏が全然違うし」とか。「高齢の親は足腰弱っているのに、簡単に言わんといてほしい」とかいろいろ意見が聞けました。
なかには自治会で担当者にきてもらって説明をしてもらった、というところもありました。そこでは「敷地は広いからエレベーター棟を建てて、そのままずっと住まわせてほしい」という意見ばかりだったそうです。お聞きすると、全住戸の5分の1ほどしか入居者がおらず、空きは多いとのこと。しかも、以前から入居者の募集が行われておらず、疑問に感じていたとのこと。駅まで10分もかからず、買い物にも便利で立地もよいのに、不思議です。うがった見方をすれば、ずいぶん前から廃止を考えていたのではないか?と思わざるをえないようなやり方です。
お聞きした方々は「募集かければ人も入ってくる。こんな便利なところなのになぜ?」とおっしゃっておられましたが、そういう声は当然の意見だと思います。
 今回、マネジメント計画案で対象とされた団地のなかには、駅からとても近い、立地のよい団地がいくつかあります。エレベーターがないなどの課題は確かにありますが、リノベーションをしたり、エレベーターを設置するなどすれば気持ちよく便利に住めるはずです。
市営住宅はやはり、まちづくり政策の要のひとつとなるべき施設。これからのニュータウンにおける住宅政策にも人口対策にも影響するものです。ニュータウンの全体像を神戸市はどのように描いているのかはわかりませんが、公営住宅を減らすというのは、どんどんニュータウンの課題解決に対して、関わりを小さくしていこうということにしかならないと、私には思えてしかたありません。
 建設から半世紀。もうニュータウン建設という役割は終わったと考えているのだとしたら、間違いです。
あくまでも「計画的」開発団地。開発者は神戸市です。「計画的」につくってきたわけですから、半世紀たって新たな課題に直面しているいま、新たな課題解決に積極的に関与し、開発者としての役割をはたすことが求められているのではないでしょうか。
名谷エリアでは公立幼稚園も3園のうち2園を廃止。しかも残ったところは駅からずいぶん離れた場所にあります。
廃止時、地元では「まちづくりの核のひとつがなくなる」「徒歩であるいていけるというのが大事」などと意見がたくさんでていました。
考えれば考えるほど、公の施設をへらしていくのは、あきらかにニュータウンを既存の市街地と同じに考えているかそういうふうにしていこうと考えているとしか思えません。
 ニュータウン対策は、市の関与があってこそ必要な対策をすすめていけるものだと思います。開発者としての役割と責任は重く、きちんと果たすべきです。