やまじゅん通信 “きょうのヤマ場”

日本共産党前神戸市会議員 山本じゅんじ WEB通信

特別自治市に偏る議論でいいのか?

2020-12-24 | 日記・エッセイ・コラム
 先日、大都市税財政制度等に関する特別委員会が開かれました。今回は専門家の方からの意見聴取。大都市制度に関する最新の知見などをお話しいただきました。今回はじめて、委員会でオンラインで講師の方の研究室と委員会室を結んでの開催となりました。
折しも東京を中心に関東地方でも新型コロナ感染者が増加している最中でもあり、オンラインで開催できたことはよかったと思います。
 さて、講演はよく整理されており、特別自治市など検討されている制度の是非はともかくとして、とても分かりやすい内容でした。
特別自治市はいまから数年ほど前にかなり議論になったことがありましたが、最近まであまり大きな議論にはなってはいなかったように思います。
ところが大阪都構想における住民投票が行われる前後から、再び議論が活発になってきたような印象があります。
先の本会議で、他の会派が取りあげましたが、それによって私自身も忘れかけていたこの問題に、ふっと呼び戻された感があります。
 政令指定都市は妥協の産物で作られたものと指摘されていますが、一方で、それなりに合理的な制度だという指摘もあります。いまの段階では、どっちの意見にもくみしにくく、どう判断すべきか考えているところです。もっとよく調査し、自分なりに考えをまとめておかなければならない段階に来ているのかな、と考えています。
 先日の委員会では、2点質問。政令指定都市市長会で、どういった問題が中心に議論されているのか、政令指定都市全体で足並みが揃っているのか、といった点。特に、20政令市ありますが、旧来から政令指定都市だった神戸のような都市と、合併で周辺自治体を取り込んで最近政令市になったところとでは、都市の成り立ちや財政面なども含めた都市としての性格が全く違います。同列に議論するのは課題が違いすぎで難しいのではないかとかねてから思っていました。
政令市のなかでも、議論に加わっているのが16市。都構想にこだわった大阪市をはじめ新潟市など4市が議論に参加してはいないそうです。ただ、いろんな考え方があるということで多様な大都市制度について考えていくことについては、全政令市で足並みが揃ってはいるようです。
 ただ、特別自治市に議論が大きく片寄るようなやり方でいいのか、現在の政令市の課題を整理して政令市のあり方について考えていく必要はないのか、まだまだ検討すべきことは多いと思います。
少なくとも、市民的にはまだまだ実感の少ないテーマであり、議論そのものも知られているとは言えません。市民置き去りに、一部で議論が先行することのないよう注視しておく必要があります。
市民に分かりやすい情報提供を。もちろん特別自治市に偏らず、政令市の課題やありかたなどきめ細やかな情報提供はなされるべきだと思います。
少なくとも、特別自治市として権限が県と同じになった場合、県では大小いくつもの自治体で成り立っていますが、特別自治市の場合はイコール自治体なので、市内の分権をどうすすめるのか考えていかなければなりません。さらに、より合理的な制度になると答弁ではメリットが強調されますが、そのことがさらなる行革による住民サービスの低下になってしまうようでは意味がありません。
 来年は市長選挙。こういうテーマについても、きちんと議論しておかなければならないと思います。