郷が杜備忘録

旅行や読書と日々の行動の記録。
日常のできごとや思い出の写真が中心。 たまに旅行の記事も投稿します!

地ひらく 石原莞爾と昭和の夢(福田和也著)

2025-01-25 | 読書
今年は昭和100年、戦後80年です。私は戦後生まれなので、戦前と昭和20年代の歴史には詳しくありません。
高度経済成長期に育ち、バブル経済を経験し、バブル崩壊後30年のうち20年は働いていました。
私はいい時代に生きたと思っています。
私の両親は、戦前に生まれ、青春時代は戦争と戦後復興のなかで一生懸命働いてきました。働きづくめだったと思います。
いまはもう亡くなりましたが、親孝行ができたのか、今でも悲しく、申し訳なく思う時もあります。

日本は戦後復興して裕福になりましたが、21世紀になった日本は、私たちが子供の頃に描いていた日本に、そして世界になったのでしょうか?

今、私の関心は、歴史と宗教、哲学にあり、そのなかで戦争の歴史、原発の問題、自然災害(地震と噴火)、人間の生き方です。

これらに関する本などを読んだりしています。

日本の戦争に関しては、どうしても満州事変というものが、大きな変換点と思われました。
今回この本で、石原莞爾と彼をめぐる周囲の状況などを、少しは知ることができました。
そして、そこで起こったことがその後の日本や中国や朝鮮半島にも大きく影響したと思いました。

これからもいろんな本を探して、読んでみたいと思います。
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ふるさと・みちのくから考えるー歌・祭り・未来

2025-01-12 | 読書

図書館から借りてきた本を読んでいる。

著者は山形県出身の元明治大学教授、自分の研究との関連やふるさとを外から見た感想から、書いてきた文章を集めている。
私も就職当時、始めの約5年間を山形県で過ごしたので、少し地名や土地柄はわかる。
そのなかで、新聞の「日曜随想」に載せたという「西行が眺めた山形の桜」という文章に関心を持った。
西行とは、平安時代から鎌倉時代にかけて生きた、もと武士であり歌人である。鳥羽院の北面に仕えた佐藤義清(のりきよ)は23歳の時に突然出家して西行を名乗った。30歳の頃にみちのくに歌の修行の旅にでた。そのときの歌集が「山家集」(さんかしゅう)という。
そのなかに、桜をよんだ歌があり、平泉の束稲山で読んだ、
  聞きもせず 束稲山の 桜花 吉野の外に かかるべしとは
そのあとに、出羽国滝の山という山寺で読んだ
  類ひなき 思い出羽の 桜かな 薄紅の 花の匂ひは

この滝の山の山寺というのは、山形市の南東方面にある滝山という山の中腹の西蔵王高原にあるということに驚いたのである。

山形市に住んでいた私は、よく東の蔵王山方面を眺めていたが、見えるのはこの滝山であった。蔵王山はその陰になっているのでみえないのだ。

その滝山の麓に、桜の木があったのだ。そして今でも西蔵王放牧場にはオオヤマザクラというのがあるようである。
駐車場側には、西行の歌碑もあるという。

東北にも知らないところがあり、いろんな方の行跡が残っているものである。


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老子までの道(加島祥造著)

2025-01-08 | 読書
本棚を整理していて、古い本を発見し、取り出してきた。
加島祥造さんというのは、アメリカ文学者らしく、翻訳もしていたという。
73歳で伊那谷に移住して、92歳で亡くなった。

この本の副題は「60歳からの自己発見」と書いてあったので、再度取り出したのだ。
当初の題名は「今を生きる」だったが、文庫化するときに改題して「老子までの道」にしたという。

著者はアメリカ文学者であったが、60代を過ごすうちに、老子に関心を持ち、タオイストになったようだ。

この文庫には21の随想文があり、横浜に住んでいた時代から伊那谷に移ってからの60代に書いたものだという。

このなかで気になった文章があった。それは「いま、なんで老子やねー宇宙会議と碁」という文章で、ある女性から標題のように問いかけられた著者が講演のなかで「なんで老子か」について、 「地球にとっていま、なんで老子が大切か」という空想話をしたということです。
それは、もし宇宙会議があったら地球代表には老子がふさわしい。そして 「いま地球にとって何がいちばん大切なことか」と問われたら、老子は「不争」(争ソワズ)の二語で答えるだろうというのです。「争う」というのはタオのエナジーの「むだ使い」だ。自然はそんな愚行をしない、というのです。
さらに、「日本人にとって、いま、なんで老子か」ということへの答えは「自足」の二字だといいます。著者の言葉によれば、それは「いまの自分に満足する、そしてそれを本当の富とするんだ」といい、老子はひとたび衣食住が満足したら、こんどは自分の「内なる自由」を見つけだすべきだというのです。
著者流の解釈ということなのでしょうが、なるほどなあと思いました。
私も老子を読んでみようと思いました。


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面白くて眠れなくなる江戸思想(橋爪大三郎著)

2024-12-30 | 読書

年末になって図書館から本を借りてきた。

時間がなかったので、お薦めの本のところにある本を興味に任せて借りた。
そのうちの1冊、この本がとてもおもしろかった。
面白かったと言っても可笑しいのではない。とてもためになった。
以前から日本の思想について関心があり、幕末の維新の推進力ともなった水戸学や
江戸幕府の基盤であった朱子学など、そしてそれを取り巻く江戸に起こった各種思想、どのような内容で、どのような関係性があるか関心を持っていたので、それがわかりやすく説明してあった。
著者によれば、江戸思想は明治日本の土台、その上に西欧的な制度が組み立てられた。この本は中高生向けに書かれた江戸思想の入門書ということです。
取り上げられた12人は日本史の教科書にも出てくる有名な方々ですが、意外とその人生は知られていないと思う。境遇はいろいろだが、自分で考え、学び、自分の考えを創っていった。若い人にも参考になると思う。
12人は、水戸光圀、藤原惺か、林羅山、中江藤樹、熊沢蕃山、契沖、伊藤仁斎、荻生徂徠、富永仲基、賀茂真淵、本居宣長、上田秋成です。
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人生を面白くする本物の教養(出口治明著)

2024-10-17 | 読書
この本の発行は2015年であった。もう少しあとに買ったと思うが、しばらく机の横に積んであった。
コロナ禍で脚と肩を故障して、定年後やっていた仕事も辞め、完全年金生活者になり、毎日が日曜日の変化のない生活になった。
辞めて1年目は、身体の回復に努めたので、生活にも飽きはなかったが、2年目になり、張り合いが無くなってきた。
いろんなことをやってみようと思うが、なかなか続かない。
何度も書いているが、読もうとため込んだ本があるので、できれば死ぬまでは読みきりたいと思っており、それも平行してやっている。
今回の本のようなものは、70歳近くなって今さらではあるが、私よりは先輩でもあり、子どもたちへの参考にもできると思い、読んでみた。

第3章 出口流・知的生産の方法
第4章 本を読む
第5章 人に会う
第6章 旅に出る

第9章 英語はあなたの人生を変える
第10章 自分の頭で考える生き方

が参考になった。

健康寿命はまだ10年くらいはあるだろう。
もう少し自分を鍛えてみたくなった。

ところで本の中に、北欧での子供たちへの選挙に関する教育に関して書いてあった。
白票や棄権は有力候補に投票するのと同じ結果をもたらす。絶対得票率が少ない党でも圧勝になり、意図しない政策もやられかねません。ある元首相が言った「選挙に関心の無い人は寝ていてくれたらいい」ということにはしてはいけないのです。現状に異論があれば、はっきりした意思表示が必要です。
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