ある日の手紙 入り口 出口
近くなった理髪店
猫の集会 アンドロメダ
届かないカーネーション 高得点
ドレスのそよぎ 達磨寺
蜘蛛 発狂 ダイアモンドの首飾り
サナトリウムの夕暮れ
わたしはいつも夢見心地
野を駆け
花を摘み
鐘をならした
空を羽ばたき
宇宙のテンプレートまで
うちの母です
八十六歳だけど元気です
ずっと畑仕事をやってきて
いまはのんびりやっています
(たまに口うるさいけど)
カメラを向けたその顔は
ちょっとは美人に見える かな?
届けば置きっぱなし
開けば開けっぱなし
出せば出しっぱなし
流れ出るのは心の肉襞か
じっと眺める某月某日の
片隅の風景
マス目の顔は無表情
なにも訊ねようとはしない
愛想笑いも強要しない
そういう素っ気ないところが好きだ
私もまた無口に通りすぎる
お互いに気遣っていないフリがいい