天の川の
織姫と彦星が出会う夜
ロマンチックね
地球ではとなり同士がいがみ合う
はやく結婚できますように
短冊に書かれた
あどけない文字
花の美しさは色彩なのか
生命としての存在なのか
私たちはいつも花のあるところに集まる
ところで花は自らを自覚しない
じきに萎れていくおぞましさ
それらを葉裏にしのばせて
わずかな期間
生存を争っているだけではないのか
美などまったく知らぬように
雨がくっついている
ある粒は風景を屈折させ
ある粒は涙のようにつたい
ある粒は水玉となって心を弾ませる
ガラス窓にこぼれるように
乱れた気持ちは さすられていく
友人への便りにと
挟んでおいたポストカード
気がつくとインクが滲んでいる
いつの間に付いたのだろう
これまた小洒落ているなあ
手紙のことは後回しにして
その円環に見とれた
どんよりとした空の下
コンビニに行く
もう六月か…
ほの明るさとうす暗さを織りなして
眩しさのない心地よさ
憂うつなんて冗談さ
なにかを始めるには曇り空がいい