写詩之日々

写真と詩を載せています。

展覧会場にて

2014-11-29 23:10:58 | ポエム・写真


展覧会場で遭った女が忘れられなくて

いまだときどき思い出している

もう何十年も前のことだ

あなたはモデルらしかった

上背のあるふくよかな肢体

モディリアーニを好む聡明な面立ち

神を信じて画を描くの

そのとき私はなにも信じられなかった

自分さえも

離婚 留学 転職 一通の手紙

引き留められなかった心残り


庭(三)

2014-11-28 17:44:51 | ポエム・写真


庭の柿の葉が色づくと

すこしセンチになる

もう 秋なのか

そう思っているうちに

あっという間に葉も実も落ちてしまい

すでに枝があらわになっている

父がいつも柿を楽しみにして

床の間から眺めていたのを思い出す

今年は虫食いで不作だった

(11.10撮影)


創世

2014-11-12 18:11:17 | ポエム・写真


はじまりは混沌からだった

生まれる苦しみと未来が同居していた

宇宙や生命や恋

円形はそれらを境目なく結びつけた

人々はその道を往還し

歴史が始まった

それは永遠でもあるのだろうか

球体にはなにかが内包されている

それは自由であるが 今は動かない


冬支度

2014-11-08 02:16:17 | ポエム・写真


立冬電気暖房器具炬燵枯葉落葉銀杏日暮

加湿器更衣霜月文化七五三解禁勤労感謝

紅葉神楽月霜降手袋甘柿小春日和金木犀

鱗雲肉饅収穫温泉恵比須講大根不定愁訴

枯草初雪喪中食欲防寒上毛三山読書芸術

秋空吾亦紅忘年会約束懐炉準備予防接種



手作業

2014-11-07 00:11:13 | ポエム・写真


今秋の我が家の柿の実は

シブ柿ばかりだという

だから干し柿にするのだという

秋になると母はこうして

干し柿や干し芋をせっせと作る

母はいつ甘くなるのか知っているが

ぼくはなにも知らないから

ただ柿の実がぶら下がっているのを

毎年眺めては

いつも豆な母にすこし安心したりしている